【闘病】20歳の若さで「脳出血」、救急搬送へ 脳動静脈奇形が見つかり開頭手術
侵襲の大きい開頭手術、不安あったが確実な根治を選択
編集部:どのように治療を進めていくと医師から説明がありましたか? 木原さん:脳動静脈奇形の治療法は開頭手術、血管内治療、放射線治療、経過観察の4つと言われており、脳動静脈奇形のある場所やサイズ、脳血流の問題などから治療法が異なってきます。 私の場合は、主治医の先生から、血管内治療と開頭手術を組み合わせた治療を行うと告げられました。 開頭手術は侵襲の大きい手術のため、かなり抵抗がありましたが、成功すれば根本的な治療を目指せる可能性が高く、年齢を考慮すると手術の負担にも耐えることができるだろうということで、開頭手術を行うことになりました。 まず初めに、カテーテルを使った血管内治療で異常な血管を塞栓物質で詰めるという手術を受けました。このときに、塞栓物質が正常な血管にも流れてしまい、合併症で脳幹に脳梗塞を発症しました。 しかし、特にはっきりとした症状は現れなかったため、血管内治療を受けた5日後に開頭手術を受けることになりました。 編集部:病気が判明したときの心境について教えてください。 木原さん:病気が判明してから数日間はなかなか現実を受け入れられず、悪い夢をずっと見ているような感覚でした。まだ20歳という若い年齢で脳の病気になってしまったことが信じられませんでした。 1月には地元の九州で成人式にも出席する予定だったため、行くことができないとわかったときはかなりショックでした。 しかし、少しずつ冷静になって自分の病気について調べて状況を整理していく中で、脳出血でも後遺症などが出ずに、手術で完治する可能性もあることを知って、ポジティブに捉え、絶対治してみせると強い気持ちを持てるようになりました。 編集部:発症後、生活にどのような変化がありましたか? 木原さん:脳の外科手術を受けた影響で、てんかんが起こる可能性があるので車の運転は控えています。また、定期的にCTやMRIの検査を受けています。退院後は体力をもとに戻すために、無理のない範囲で運動を行っています。 編集部:脳動静脈奇形に向き合う上で心の支えになっているものを教えてください。 木原さん:家族や友人です。父と母は深夜に入院となった次の日に、九州から新幹線で病院まで駆けつけてくれました。妹の大学受験が控えていて大変な中で来てくれて、本当に感謝しています。 また、親戚が関西にいないため、病院での必需品は友人に頼んでいました。家族と離れた地での入院となり、とても心細い中で連絡をくれたり病院に駆けつけてくれたりした友人の存在はとても心強かったです。 そんな周りの人達に支えられて、無事に治療をすることができました。 手術の影響で、リハビリ中に歩くことができなかったり食事が取れなかったりと、なかなか体調が改善しない自分を嫌になる時もありましたが、そのときも看護師さんやリハビリの先生、友人に励まされて頑張ることができました。