ボクシングを再興する会が会見(全文1)「接戦した場合、やっぱり奈良やな」
監督官庁なく関係者の自浄活動で改革を起こすしかない
菊池:はい。それでは告発に至った経緯についてご説明をさせていただきます。告発に至った経緯。現在、マスコミ等で報道されている諸問題は、長年、数多くの指導者、選手が悩み、苦しんでいたことです。しかしながら関係者は選手にも自分にも不利益が及ぶのではないかと強く恐れ、山根会長をはじめ、日本連盟の幹部に対して声を上げることができませんでした。その結果、あらゆることが不透明な組織となってしまい、ガバナンス機能が著しく低い競技団体になってしまいました。 さらにアマチュアボクシング競技は国体において隔年開催競技に格下げになり、全国選抜大会では全国高等学校体育連盟との共催を否定し、開催が危ぶまれております。また、全国高等学校総合体育大会、通称インターハイと呼ばれます、この大会においても、協賛が危ぶまれ、多大な運営費の負担のため、2020年は大会の開催県が決まらないまま現在に至っております。 競技に真剣に取り組む選手たち、活動の場が減り続ければ、競技人口の減少ひいては競技団体自体の衰退にもつながる大きな問題です。このような事態は日本連盟に反対意見を述べれば、除名などの厳しい処分を受ける、そんな恐れから何も行動を起こすことができなかった私たちの責任でもあります。私たちは現在のまま東京オリンピックを迎えても、将来的にアマチュアボクシングを存続させることは難しいと考え、強い危機感から、日本ボクシングを再興する会を立ち上げました。 私たちは日本連盟の状況が公になると、アマチュアボクシング競技そのものが深く傷つくのではないかと懸念し、これまで、できるだけそこだけは避けたいという思いから発足当初は全てを水面下で活動を続けてまいりました。その中で、山根会長をはじめとする日本連盟の幹部の方々と面会をし、改善の提案をさせていただきました。しかしながら受け入れていただくことはできませんでした。その後、何度も国会議員の先生方にご相談に伺い、JOCのほうからもヒアリングを受けるなど、いろいろと努力を続けてまいりました。その際、特に橋本聖子議員には、私たちの活動をご理解いただき、ご尽力いただきましたことを、心より感謝を申し上げたいと思います。 しかしながら、日本連盟が直接的な監督官庁の存在しない一般社団法人、そういう立場であるため、関係者による自浄活動で改革を起こすしかないという結論に至りました。そのため、今年6月、山根明終身会長の退会要求書を提出することになり、都道府県に対してそれを呼び掛けてまいりました。これに対して、日本連盟は厳しい責任が伴うという文書を発表しました。この文書によって、退会要求書の提出を躊躇された都道府県連盟が数多く存在し、私たちは自浄活動の限界を感じました。そこで私たちは、日本連盟のガバナンスを1から再構築するため、誠に不本意ではございますけれども、致し方なく、今回の告発に至りました。以上でございます。