「こんなの見たことない!」と米メディアも驚愕 本当に起きた「酷すぎるエラー」と「歴史的な大暴投」
中畑清監督も笑いが止まらなかった広島の大失策
「近年稀にみる最悪のプレー」とネット上でも話題になったのが、2013年7月10日のDeNA対広島で起きた痛恨のエラーである。 4回まで3対6と劣勢だったDeNAは5回、先頭の荒波翔の四球を足場に3長短打で同点に追いついたあと、なおも2死二塁で、この日が27歳の誕生日の石川雄洋が左翼線に勝ち越し二塁打。さらに鶴岡一成も四球で2死一、二塁とした。 ここで広島・野村謙二郎監督は、福井優也に代えて久本祐一をリリーフに送ったが、代打・下園辰哉に右前タイムリーを打たれ、2点差に広げられてしまう。 まさかのプレーが飛び出したのは、直後だった。三進した一塁走者・鶴岡に続いて、下園も二塁を狙ったが、明らかに暴走で、一、二塁間に挟まれてしまう。2死ということもあり、この隙を突いて鶴岡が本塁を狙うと、ボールはセカンド・菊池涼介から捕手・石原慶幸に送られ、今度は鶴岡が三本間に挟まれた。 だが、鶴岡が送球しづらい位置取りをキープしながら粘るうちに、石原が三塁悪送球。広島にとって不運だったのは、直前の下園の挟殺プレーで、レフト・広瀬純が二塁に向かうなど、バックアップが手薄になっていたこと。ショート・梵英心が慌ててダッシュするも間に合わず、サード・堂林翔太の足元をすり抜けたボールは、無人のファウルグラウンドへ。 この間に鶴岡に続いて下園までホームイン。実況のCS・TBSチャンネルの初田啓介アナウンサーも思わず「これは奇跡だ!」と評したシングルヒットが“3ラン”という珍事。ベンチの中畑清監督も笑いが止まらなかった。 この回一挙7得点のビッグイニングで勢いづいたDeNAは17対8と大勝。就任以来、最多の19安打17得点の猛攻に、中畑監督も「今まで溜まっていたものを発散した感じ」と大喜びだったが、「できれば、明日、あさってに得点を分けたかったけどなあ」と複雑な心境ものぞかせた。 この日の勝利で中日と並ぶ4位タイに浮上したDeNAだったが、皮肉にも翌11日の広島戦は3対7、12日の阪神戦も2対3と連敗し、たった2日で最下位転落。中畑監督の言うとおり、得点をうまく配分すれば、3試合ともスコアで上回ることも可能だったのだが、世の中、思いどおりにならないようで……。