「この子は…」篠田麻里子がAKB48の一期生オーディションに落選した「納得の理由」と地獄から這い上がった「想像を絶する行動」
「2ちゃんねる」を読み込む
それでも手応えがなかったわけではない。客席はガラガラだったとはいえ、実はオープン以来、お客さんの数は一度も減っていない。初日に7人だったお客さんは、次の日には9人になり、さらに次の日には11人になり……着実に増えていたのだ。ショーキャバクラの世界に10年間身を置いていた経験から言わせてもらえば、これは間違いなく「芯を食っている」状態だった。 基本的にお客さんの選択肢は2つしかない。「また来たい」と思うか、それとも「もういいや」と思うか。前者がリピーターになり、やがてファンになる。人数こそ少なかったが、この時期はリピーターが多かった。話題になるのはもはや時間の問題だと僕は思っていた。 事実、12月の半ばには「なんだかすごい劇場があるらしい」とオタクと呼ばれる人たちのあいだでAKB48の噂は広がり、ついには翌日のチケットを購入するために前日夜10時から並ぶ熱狂的なファンまで現れ始めた。ひたむきに頑張るメンバーの姿はお客さんにちゃんと伝わっていたのだ。 個人的には、秋元先生ほどこうしたお客さんの反応に目を光らせているプロデューサーはいないのではないかと思っている。当時もAKB48の成功のために「2ちゃんねる」の関連スレッドをくまなく読み込み、お客さんの意見をつぶさにチェックしていた。「秋葉原のココスでAKBの感想戦をやるらしいから行ってこい」と、僕に指示を出すこともあったくらいだ。 実際、そういったファンの集いに参加させてもらうと彼らの熱い意見をたくさん聞けて、改善点も自然と明らかになってくる。これぞ最強の顧客調査というやつだ。そして、こうした僕たちの姿勢を評価してくれたファンがさらに協力してくれるようになる。劇場運営においても良い循環ができあがっていった。 ただし、秋元先生はファンの意見にただ流されるようなことは決してなかった。たとえ100人のファンが「右だ」と言っても、自分が「左」だと確信すれば迷わずそっちを選ぶ。現場至上主義ではあったけれど、譲れない芯は必ず持っている。秋元先生はこのバランス感覚が抜群だった。
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