「この子は…」篠田麻里子がAKB48の一期生オーディションに落選した「納得の理由」と地獄から這い上がった「想像を絶する行動」
ファンの直訴が秋元康を動かす
のちに“1.5期生”と呼ばれる篠田麻里子の加入が決まったのも、そんな秋元先生がファンの声に耳を傾けたからだ。 そもそも篠田は紆余曲折を経てAKB48メンバーに加わっている。彼女との出会いは福岡だった。夏まゆみ先生に招待されてモーニング娘。のコンサートを観に行った日、僕らが街中で彼女をスカウトしたのだ。この頃はメンバー集めに躍起になっていたので、気になる子がいれば構わず声をかけていた。 1期生メンバーに比べると篠田は明らかに垢抜けた大人の雰囲気を漂わせている。なかには「浮いている」と違和感を抱く人もいるかもしれないだが、個性の立ったメンバーはひとりでも多くいたほうがいいというのが僕たちの考えだった。篠田も華やかな世界に以前から憧れを持っていたのだろう。秋葉原48プロジェクトの説明をすると、オーディション参加にすぐに乗り気になってくれた。 「篠田なら難なくメンバーになれる」と信じて疑わなかった。 ところが、秋元先生の評価は真逆だった。オーディションに現れた篠田の髪の色は派手な金髪で、しかも歌唱審査で披露したのは中島みゆきの『悪女』。 「この子さ、もう出来上がっちゃってるじゃん」 それが篠田に対する秋元先生のコメントだった。もちろんオーディションにはあっけなく落ちた。 ただ、篠田をこのまま福岡に返すわけにはいかないと思っていた。彼女自身アイドルに強い興味を持っていたし、僕も大きな可能性を感じていたからだ。そこで考え出されたのが、AKB48劇場に併設のカフェで働かせるという策だ。 まもなく「カフェっ娘」として働き始めた篠田は、ここで凄まじい気合いを見せる。お客さんとの熱心な交流の甲斐あって、メンバーでもない篠田を応援するファンが次第に増えていったのだ。転機が訪れたのは、ある日の公演後に開かれた秋元先生とファンたちの交流会だった。 「どうしてマリコはあんなに人気なのにステージに立てないんですか?もしデビューしたら僕たち絶対応援しますよ」 このファンの直訴が秋元先生の心を見事に動かす。
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