自己最多ペースの平均12.3得点を挙げている熊本・山本翔太［写真］＝B.LEAGUE

　熊本ヴォルターズは『りそなグループ B.LEAGUE 2024-25 SEASON』B2開幕7試合目にようやく初勝利を手にしたものの、前節はベルテックス静岡に連敗。2戦ともリバウンドとファウルの課題が顕著に表れた。山本翔太は現在3試合連続2ケタ得点と好調なものの、キヘイ・クラークが得点面で未だ本領発揮に至っていない点が気がかりだ。11月は、1勝8敗と不本意な成績に終わった10月から心機一転といきたい。 　その熊本が今節迎え撃つバンビシャス奈良は、ここまで3勝6敗。前節はライジングゼファー福岡と戦い、GAME1は第4クォーターにディフェンスが機能して19点差の快勝を収めたが、GAME2では逆に封じ込まれてしまい、20点差で黒星を喫した。シャキール・ハインズは堅実な働きを見せているものの、他の選手は好不調の波があり、チームとしても攻守両面で修正が必要だ。 　熊本は西地区6位に沈む状況ながら、今節の直接対決で連勝すれば奈良と順位が入れ替わり浮上する。注目ポイントは熊本がリーグ最少、奈良が2番目に少ないリバウンドの争い。熊本は2ポイントシュート成功率がリーグ1位の奈良にセカンドチャンスを与えたくないところ。奈良の3ポイントシュート成功率がリーグワースト2位という点も考えると、熊本のペイントエリアのディフェンスはより重要度が増すだろう。高さのアドバンテージが取れない分、日本人選手の運動量とフィジカルでいかに対抗できるかにかかっている。 　開幕節で連敗しながらも、その後7連勝と地力を発揮している信州ブレイブウォリアーズに挑むのは、現在3勝6敗の山形ワイヴァンズ。前節の山形は複数の選手のコンディション不良に悩まされ、青森ワッツと1勝1敗に終わっている。まずは万全の状態で今節に臨むことを大前提とした上で、負担が大きくなっているジェームズ・ベルをいかに周囲がサポートできるか。青森とのGAME2で初スターターを務め、13得点を挙げた佐藤巧に期待したい。 　10月は1勝止まりだった愛媛オレンジバイキングスは7連敗中。ただ、福井ブローウィンズと対戦した前節では、2戦ともに9人しかベンチ登録できていないなか、GAME2では2点差と粘り強く戦うことができた。今節の相手は開幕から9連勝中のアルティーリ千葉。難しい相手であることは確かだが、前節スターターに抜擢され2戦いずれも2ケタ得点の平凌輝がチームを勢いづけ、一泡吹かせたいところだ。 　鹿児島レブナイズの勢いは前節も止まらず、神戸ストークスを連破して西地区首位の座を堅持。A千葉に連敗して東地区4位に後退した富山グラウジーズは、2節続けてアウェーで地区首位との激突となる。興味深いのは、日本でのプレー歴も長い帰化選手のマッチアップ。前節2戦とも20得点超えと好調のトーマス・ケネディ（富山）に対し、ジュフ・伴馬（鹿児島）も開幕から得点力が安定している。試合の流れを変えることもできる2人のつばぜりあいに注目だ。 文＝吉川哲彦