7年間プレーした“ホーム”に別れ…名古屋GKランゲラック「僕も、家族も、決して忘れることのない出来事」
今シーズン限りで名古屋グランパスを退団する主将GKランゲラックが、本拠地『豊田スタジアム』で実施されたセレモニーを振り返った。 【セレモニー】チームメイトやライバルがランゲラックにメッセージ 19日、神様さえも別れを惜しむような大粒の雨が降る中、『YOU ARE THE ONE ~Mitch Langerak~』と銘打たれた送別プロジェクトの一環として、主将GKランゲラックのセレモニーが行われた。ホーム最終戦となる第37節サガン鳥栖戦は『長良川競技場』で開催されるため、来日から7年間プレーした本拠地『豊田スタジアム』でプレーするのは、この日の北海道コンサドーレ札幌戦が最後だった。 同セレモニーでは、“ミッチ”が名古屋グランパスで歩んだ7年間の軌跡を回顧するビデオが流れ、その中に登場した戦友たちは、ランゲラックのプレー、プロフェッショナルな姿勢、人間性について語った。チームを牽引するMF稲垣祥は「この人のために戦いと思わせてくれる存在」と、ポジションを争ったGK武田洋平も「人としての魅了もすごいある選手」と告白。また、クラブレジェンドの楢﨑正剛氏は「名古屋のGKはリーグを代表する。ミッチはその責任を果たしてくれた」と自身の後継者を称賛。その他、2021年にJ1リーグの連続無失点記録(823分)をともに塗り替えたCB中谷進之介(ガンバ大阪)は「すごく誇りに思える記録を一緒に作れた」と、Jリーグ屈指の守護神と称されるGKチョン・ソンリョン(川崎フロンターレ)も「ライバルとして常に意識する存在」とコメントを寄せている。 その後、ランゲラックは「この7年間は素晴らしい経験だった」、「サポーターのために、チームのために、名古屋グランパスのために、ということを常に考えながら試合に臨んでいた」などと日本でのプレーを振り返り、ピッチを1周しながら『豊田スタジアム』に別れを告げた。ゴール裏のスタンドには多数のオーストラリア国旗が揺れた他、背番号『1』のコレオグラフィーが浮かび上がるなど、クラブレジェンドの仲間入りを果たした“ミッチ”にふさわしいセレモニーとなった。 そんなランゲラックは翌20日、自身の公式Instagramを更新。壮大なセレモニーに感謝を示すとともに、来月頭に控える“大一番”に向けた思いを綴った。 「昨日のセレモニーについて、24時間かけて振り返ってみたけど、感謝の気持ちを表すのにふさわしい言葉を見つけるのはとても難しかった。ただ、これだけは伝えさせてほしい。昨日、名古屋グランパスファミリーのみんながしてくれたことに感謝しているんだ。僕も、家族も、決して忘れることのない出来事。皆んなの前でプレーした豊田スタジアムでの試合ほど、ピッチで幸せを感じたことはなかったよ」 「このスタジアムでの試合は最後だったけど、まだ重要な試合がいくつか残っている。特に、カップ戦の決勝戦だ。グランパスを愛するすべての人のために、勝利に向けて全力を尽くすことを誓う。一生忘れられない思い出をくれてありがとう」 20年間に渡ってロッソジャッロのゴールマウスを守った楢﨑正剛氏の“後継”という難解なミッションをこなして見せたランゲラック。クラブ史において、固定性の背番号『1』を背負ったのは、ミッチを入れて3選手だけ。だからこそ、11月2日、このまごうことなきクラブレジェンドと5つ目の“輝く星を”勝ち獲り、送り出さなけばならない。
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