企業の役員に「サイコパス」が多いという衝撃事実 役員室に「スーツを着たヘビ」がはびこる理由
ナルシシストでマキャヴェリストのサイコパスにとって、標準的な採用面接は打ってつけのフォーマットだ。 彼らは、自分について話すのが大好きだ。彼らは自分の欲しいものをどう手に入れるかについて、戦略を立てる。目的は手段を正当化する――たとえそれが、自分についての噓をつくことや、証明書や推薦状を捏造することを意味しても。 そして彼らは、表面的な魅力とカリスマを目立たせる天賦の才を持っている。私たちの雇用の仕方のせいで、ダークトライアドが不相応なまでに報われてしまうのだ。
■印象管理のために噓をつく人たち 科学者たちは、採用面接での成績と「印象管理」とを評価することで、この現象を追ってきた。 人が自分を他者にできるかぎり良く見せようとするときにはいつも、印象管理をしていることになる。それ自体には、どこも悪い所はない。誰もがそうする。正常なことだ。 だが、必要以上の大きくて役に立たないハサミを持つシオマネキとちょうど同じで、私たちも印象管理をしているときに不正直なシグナルを発することがある。他者に自分を良く見せようとして噓をつく人さえいる。
ところが、サイコパスやマキャヴェリストを採用面接のときに測定すると、他の人とはじつに興味深いかたちで違うことがわかる。 予想に違(たが)わず、マキャヴェリズムの傾向が強い人はそうでない人よりも、採用面接のときに多くの話をでっち上げたり、誇張したり、噓をついたりする。 だがサイコパスは、自分が受けている面接に合わせて、話をでっち上げたり、誇張したり、噓をついたりする。不正直な人のうちには、他の応募者よりも優位に立とうとして、履歴書を粉飾する人がいる。
一方、サイコパスは面接ごとにカメレオンのように対応し、面接官が新規採用者に求めているだろうと思うものに合わせて自分を完全に変える。 サイコパスは、どの応募のときにも履歴書に記入する学生時代の評価点を必ずわずかに水増しするなどということはせず、銀行で面接を受けるときには経済学の学位を持っていることにし、法律事務所で質問されているときには法律関係のインターンシップの経験をでっち上げる。 完全に偽りの人格を手際良く作り上げるサイコパスもいる。彼らが知能の高いサイコパスだと(多くがそうだ)、うまく騙し通すことができる。