教師で芸人「タカタ先生」数学嫌い克服するコツ 計算ドリルとドリフ好きが高じて二刀流に
計算ドリル好き、ドリフ好きが高じて「数学教師芸人」の道へ
お笑い芸人と数学教師の両輪で活躍するタカタ先生。テレビ、YouTube、リアル授業、オンライン授業、書籍、教育イベントなどを通して「算数・数学嫌い」をなくす活動に力を注いでいる。You Tube「世界一楽しい&分かりやすい数学授業 byタカタ先生」の登録者数は約3万人、2020年に開設したYouTube授業チャンネル「スタフリ」は、登録者数21万人超え。成績は悪くないのに「算数・数学が好き」と答える子どもの割合が国際平均を下回る日本。苦手意識を克服し、算数・数学を楽しく学べるようにするために、教員、保護者は何ができるのか聞いた。 【写真を見る】九九メガネをかけて授業を行うタカタ先生 ――タカタ先生は、お笑い芸人と数学教師の二刀流で活躍されています。算数が好きになったきっかけと、これまでの道のりについて教えてください。 電気エンジニアの父、専業主婦の母という家庭環境で、幼稚園の頃、自宅にあった計算ドリルに熱中しまして。母に「いつまでやってるの!」と叱られるくらい、時間を忘れて問題を解き続けていました。今思うと、あの日々がきっかけで算数が好きになったと思います。小学生になると、父が撮りためていたザ・ドリフターズのコントに熱中し、お笑い好きにもなりました。 当時の将来の夢は、数学教師かお笑い芸人。広島県にある中高一貫の男子校・広島学院を卒業し、東京学芸大学教育学部数学科に進学しました。中学・高校の数学教員免許を取得し夢だった数学教師になったのですが、生徒との関係がうまくいかず1年で退職、もう1つの夢だったお笑い芸人になるため吉本興業の養成所に入り、吉本所属の芸人になりました。 その後結婚し、家計を支えるためにも吉本芸人と数学教員の二刀流で活動を始めたのが2012年。「数学教師芸人・タカタ先生」が誕生しました。 ――YouTubeによる活動は、いつ頃からどのように始めたのですか? 教員時代から、授業で理解が追いつかない生徒のために、その日の授業内容をYouTubeで公開していました。授業では伝えきれなかった裏技や難しい問題の解説なども動画に盛り込み、生徒からの反応もよかったですね。 その後2013年に、小・中学生向けのYouTubeチャンネル「世界一楽しい&分かりやすい数学授業 byタカタ先生」を開設しました。白シャツと赤ベスト、数字の9をかたどった「九九メガネ」という現在のいでたちが確立したのもこの頃です。 ――You Tubeやオンライン授業がまだ一般的ではなかった頃から活動していたのですね。 そうですね。活動を続ける中でYouTubeやオンライン授業の可能性を感じ、当時非常勤講師として勤めていた学校に、学校の授業をYouTubeで公開する提案をしました。しかし「前例がないので難しい」と却下されたのです。 ならば、自分なりにYouTubeやオンライン授業を追求していこうとその学校を辞め、中学生の勉強応援YouTubeチャンネル「スタフリ」の立ち上げメンバーとなり、大阪の撮影スタジオに1年間寝泊まりしながら中学数学の授業動画を500本撮影しました。 そのタイミングでコロナ禍になり、オンラインの需要が爆発的に増え始め、全国のたくさんの子どもたちにYou Tube動画を観てもらったり、オンライン授業に参加してもらったりするようになりました。