“子どもたちの笑顔” とともに生きていく 世界的に希な疾患「KAT6A」の3兄弟と母の決意《長崎》
NIB長崎国際テレビ
世界的にも希な遺伝子疾患のある 3人の兄弟。 子どもたちの笑顔とともに生きていきたい。病気と向き合い、支え続ける母の姿を追いました。
子どもたちの写真を愛おしそうに見つめる女性。 長与町に住む永田圭子さん50歳です。
10月、地元・長与町で開催した「笑顔展」。 撮りためてきた自身の子どもたちの写真や絵など 約200点を展示しました。 永田さんが伝えたかったのは…
(永田圭子さん) 「この子たちは希少疾患で言葉を話せないし、感覚過敏があったり、知的障がいが重かったりする」 永田さんには4人の息子がいて、このうち3人には「KAT6A」という疾患があります。 その苦しみだけでなく、笑顔の尊さや前向きに生きる姿を届けたいという思いです。
日本では10人ほどしか報告のない珍しい疾患です。 重度の知的障がいや言語障がいのほか、目や心臓、消化器などへの影響も見られます。 遺伝子疾患の研究に携わる医師の近藤達郎さんは、永田さんの3人の息子の診療を担っています。
(近藤達郎 医師) 「とても穏やかで優しく はつらつとした子どもたちだが、その一方で非常にデリケート。 夜に全然眠れなくなったり、心が全く落ち着かなくなり日常生活がきちんと送れなくなってしまうことも 実際に起こりうる」
言葉を話せない息子たちの思いを理解しようと、永田さんは “ハンドサイン“ などで語り掛けます。 「KAT6A」と向き合うことになったのは、現在22歳の長男・晴也さんが生まれてすぐの頃。
(永田圭子さん) 「(ミルクを)一口飲むのが一生懸命で。もう日々生きていくのに、どうやったら苦しくないだろう。どうやったら食べてくれるだろう。どうやったら寝てくれるだろう。全く情報がない中で、子育てをしていく中で、私も泣くことが多かった」