「経験以上の風でどうしようもなかった」古江彩佳は“トリ”から反撃の3バーディ
◇女子メジャー最終戦◇AIG女子オープン(全英女子) 初日(22日)◇セントアンドリュース オールドコース (スコットランド)◇6784yd(パー72) 【画像】とにかく風が強い一日 7月「アムンディ エビアン選手権」に続くメジャー連勝が懸かる古江彩佳は3オーバー「75」で初日を終えた。 インスタートの前半11番(パー3)、12番と海に近く暴風が吹き荒れるホールで苦しんだ。手前から寄せ切れなかった11番でボギーが先行すると、12番は珍しくティショットで2回仕切り直すほどの強烈な右風。「風が来たら、あおられる感じがして…」。ドローヒッターの古江にとっては、ギャラリーが並ぶエリア上に打っていかなければならないターゲットの気持ち悪さもあった。やや真っすぐ飛ばす形になったボールが風に流され、ポットバンカーにつかまった。
ピンより大きく左を向いて出そうとした2打目をアゴに当て、脱出に2打を要して5オン2パットのトリプルボギー。出だし3ホールで4オーバーというまさかの滑り出しに「強く吹いた時は今までの経験以上だったので、どうしようもない感じでした。この先どうなるんだろう…と」。不安でいっぱいになりそうだったが、そこから一気に崩れないのが直近のメジャーチャンピオンだ。 前半のうちに2バーディを取り返し、折り返して3番もショートアイアンの2打目をキャリーでピンの根元まで飛ばして距離感をコントロール。2mほどのバーディパットはマークして素振りをする間に置いたボールが微妙に動いてしまうほどの風だったが、冷静に仕切り直して決め切った。
序盤のつまずきから一時は1オーバーまでスコアを戻し、最終9番も4mほどのパーパットをねじ込んで耐えた。「トリプルを打った後のラウンドは、そこそこ悪くはなかったかな」と及第点をつける。
前週「スコットランド女子オープン」でも3位に入るなど、風の中でのプレーは自他ともに認める得意分野でもある。未知の強風を体感し、経験値として蓄積も完了。「風を信用して、怖さを消して打つしかない」。さらなる反撃を目指す2日目へ、覚悟をにじませた。(スコットランド・セントアンドリュース/亀山泰宏)