「月の半分以上は休み」という夢のような職場…疲れ果てた中高年にこそ最適な「タクシードライバー」の働き方
「自由で孤独な世界」の中で、自分とどう向き合うか
タクシードライバーは、タクシー会社の社員とはいえ、個人事業主の要素の方が大きい。一度会社を出てしまえば、ひとりの世界。頑張るのも怠けるのも自分の気持ち次第である。誰からも指示されることなく、自由なのである。 しかし、この自由がなかなか難しい。今まで会社や取引先に制限や決まりの中で動いていた人にとっては、そのすべてから解放されて初めて自由を感じるだろう。しかし、自由の中に自由はない。皮肉なことにそこで自由を得るために自ら制限をかける。自由というものに自分とどう向き合うかだ。 筆者は決してタクシー業界の回し者ではない。タクシーだから勧めているのではなく、タクシーの勤務体系を勧めているのだ。週休3日制とかまだまだ現実味が帯びない。プライベートを使えるようなこのような働き方の業種は今のところない。中高年の職業の選択は、目的ではなく手段という考え方が必要ではないであろうか。 「何になりたいではなくどう生きたいかだ」 自分が最期を迎える瞬間に少しでも後悔するものを減らして「良い人生だった」と安らかに眠りたいものだ。
二階堂 運人(物流ライター)
