「真面目に働く私がバカみたい」“サボり癖がひどい部下”への効果的な対処法
行動心理士・長谷川ミナです。人間関係の悩みはどこに行っても誰にでもある、当たり前のこと。よりよい社会人生活を楽しんでもらうために、行動心理学に基づいてお悩みを解決していくコーナーです。 なんであの人は仕事をやらないの…?「いつも私だけ忙しい」から脱出する方法 今回は、「おサボりな部下」についてお届けします!
今回のお悩み
私の部下がよく仕事中におサボりをします。トイレかと思っていたら、席を立って30分くらい戻ってこなかったり、期限までに仕事をしなかったせいで自分に仕事が回ってきたりと、散々な状況です。上司が来た時だけは、いかにも仕事をしているかのように振る舞ったりするので、イライラしてしまいます……。真面目に仕事をしている自分がバカみたいに思えてしまうことも。仕事をサボる部下にはどのように対応すればいいのでしょうか? (29歳・メーカー・Fさん)
Fさんの部下のように、おサボりさんはどの職場にもいる、よくある問題なのではないでしょうか。特にFさんのように中堅社員になるほど責任も生まれ、部下の様子が目に入ることも多い分、気になりますね。 勤務中に1日中SNSをチェックしていたり、昼休みと称して2時間戻らなかったりなど、私にもそんな同僚がいた経験があります。同世代の友人の間でも働かない同僚の話題はよく出るので、Fさんの気持ちはとっても理解できます。真面目に仕事に取り組んでいるFさんにとって、そんな人が身近にいるとただただ士気が下がりますよね。 しかし、サボる部下にイライラすることで、常に部下がどういった行動をしているのかが気になってしまい、さらにイライラを加速させてしまう原因にもなります。 では、そんなおサボりな部下に対してストレスを溜めないで、賢く対応していく方法を紹介します。
まずは相手の状況を聞いてみよう!
サボりがちな部下は、必ずしも怠惰が原因とは限りません。もしかしたら、家庭の問題や何らかの困難に直面している可能性もあります。そのため、サボっているからと敵視する前に、一旦冷静に相手の状況や立場を知ることも大切です。 話してみると意外な点に気づいて解決策が見つかるかもしれません。また、部下自身でしか解決出来ない原因だったのであれば、それは相手の問題ですので、Fさんが気にしてもしょうがないことであると気づける可能性もあります。 Fさんの仕事に影響がないことであれば、Fさんが正せるものではないと割り切り、きちんと自我境界線を引いて、自分の仕事に専念したほうが得策です。 しかし、ただ楽をしたいという部下の惰性でFさんの負担が増えてしまうことは、きちんと相手に自分の状況を伝えることをおすすめします。仕事の負担が大きくなっているのであれば、それを改善するためにも自分から相手に伝えていく他ありません。 何も指摘せずに相手の仕事をFさんが処理してしまうと、相手は自分がやらなくても誰かがやってくれると思ってしまいます。そうすると、ますます部下は自分の仕事をしなくなり、成長も見込めず、余計にFさんの負担が増していくだけです。 また、心理学で「リンゲルマン効果」と言いますが、仕事に関わる人が増えれば増えるほど責任感が分散し、個人の手抜きがよく見られることが実証されています。