「出世はしたくないが成長を実感したい」Z世代の新人社員に慕われる新しいリーダーのタイプ
■「自分ができていたから大丈夫だろう」という判断は危険 意図的にメンバーをつぶそうとする人はいないですが、それでも健康問題が起きてしまう理由の一つが、「自分ができていたから大丈夫だろう」という油断です。 プレーヤーとして優秀だったマネージャーほど陥ってしまう思考です。 組織には、さまざまな人がいます。 キャパシティがある人/ない人、仕事のスピードが早い人/遅い人、同じ仕事でもプレッシャーを感じる人/感じない人など、それぞれです。 また、仕事の特性によって有利となる経験値、年齢、性別、能力というものがあります。 問題なく仕事を遂行できるかの基準は、マネージャー自身でもなければ、平均的なメンバーでもなく、もっともそのタスクが苦手な人に合わせるべきです。 依頼時に稼働状況、余力、意欲の確認が必要です。 「担当プロジェクトが重なっていますが、このスケジュールでできますか?」 「サポートが必要であれば、チーム編成を手伝います」 このように、なるべく無理をさせない工夫と、負担軽減の配慮を忘れないようしましよう。 任せるときに、良かれと思って期待をかけすぎてしまうことがあります。 「ピグマリオンの法則」で謳われているように、期待されていると良い成果を出すのも事実ですが、過剰な期待はプレッシャーになってしまいます。 プレッシャーが大きすぎると感じたら、「失敗しても大丈夫」「つらくなったらフォローしますよ」といった言葉で和らげましょう。 受けてもらったらそこで終わりではなく、このような依頼後のケアも必要です。 ---------- 山本 渉(やまもと・わたる) マーケティング会社統括ディレクター 引きこもりを経験し、高校を中退後アメリカに留学。大学でマーケティングとエンターテインメントを学び卒業。帰国後、国内最大手のマーケティング会社に入社。現在はジェネラルマネージャー。部長を束ねる統括ディレクターも兼ね、年間100近いプロジェクトをメンバーに依頼している。著書『任せるコツ 自分も相手もラクになる正しい“丸投げ”』(すばる舎)はベストセラーに ----------
マーケティング会社統括ディレクター 山本 渉