「出世はしたくないが成長を実感したい」Z世代の新人社員に慕われる新しいリーダーのタイプ
■これからの時代に求められるリーダーのタイプとは? これからの時代のリーダーとして推奨されているのが、奉仕型といわれる「②サーバントリーダーシップ」です。 メンバーを主役と捉えて、個々の力を強化しながら組織の成果を最大化していくタイプです。 「任せる」のは個の成長が目的で、私の考え方に近いものです。 多様性のある組織に理想とされているリーダーシップ像は、包括型と呼ばれる「③インクルーシブリーダーシップ」です。 一人ひとりの自主性を重んじて、点ではなく面で組織が拡大成長していくのが特徴で、多くの企業が取り組んでいるダイバーシティ&インクルージョンに適したリーダータイプです。 トップダウンで一元管理をしたり、こまかく指示を出したりするのではなく、多彩な人材を多様な価値観に則して任せていくのが特徴です。 ■今の時代は「支配型リーダーシップ」では生き残れない 「①支配型リーダーシップ」の方法で成長し、成功した組織もかつては多くありましたが、ハラスメントやメンバーのメンタルヘルスなど、多くの問題が顕在化してきました。 トップの意向に沿わない人はこぼれ落ちていく、というデメリットもありました。 また、時代性という観点に置いても、変化が比較的緩やかだった頃とは大きく異なってきています。昨今のVUCA(Volatility変動性、Uncertainty不確実性、Complexity複雑性、Ambiguity曖昧性)と呼ばれる先の予測が立たない社会では、ビジネス環境が大きく変化し続けています。
■多様性に富んだ人材を確保し、組織の同質化を防げ 強い恐竜よりも変化に対応できた種が生き延びたように、組織全体の柔軟性や多様性が重要となり、図表1の「②サーバントリーダーシップ」「③インクルーシブリーダーシップ」タイプのリーダー像が求められています。 鉄のような硬さよりも、竹のようなしなやかさが大切とも言えるかもしれません。 これからのビジネスは、それが商品開発でも、セールスプロモーションでも、カスタマーサービスでも、幅広い視点・考察・知識が交錯することで、社会ニーズにマッチしたものになっていきます。 これからの時代、答えはAIが教えてくれるようになっていくでしょう。答えよりも気がつかない課題を見つけ出すことが、ビジネスにおいて重要になってきます。 それには、組織内に多様性のある価値観があることが不可欠です。 特性もバックグラウンドも異なるダイバーシティに富んだ人材が、多様な働き方をすることで組織の同質化を防ぐことが、これからの時代の組織に重要となるでしょう。 ■メンバーの労務管理と健康管理を軽んじてはいけない マネージャーの仕事は、多岐にわたります。 部署内の業績を上げるために、ゴールを設定し、メンバーを動機づけし、フィードバックと評価をし、長期的な視点で育成をするなど、数えきれない担務があります。 その中でとくに軽んじてはいけないのが、メンバーの労務管理と健康管理です。 「丸投げ」という言葉は、オーバーワークをさせてでも無責任に仕事を投げればいい、という意図ではありません。 「メンバーの成長を促し、満足感と達成感を与えて幸せにする」という意図で「任せる」ことを推奨していますが、フィジカルとメンタル両方の健康確認や、キャパシティの配慮など、任せる上での大前提をおこなわないと、それも叶いません。 健康問題は、わかりやすいSOSサインが出るとも限りません。 「本人が大丈夫と言っている」「元気そうに見える」ということで、油断するのは禁物です。 「明るい性格だから大丈夫だろう」「体育会系で体力あるから問題ないでしょう」といった思い込みもまた危険です。 健康管理においては、気をつけ過ぎることはないので、常に念頭に置いてマネジメントしていきましょう。