シミは部位ごとに原因が違うって本当? それぞれのケア方法を医師に聞く
老人性色素斑、雀卵斑、ADM、肝斑 種類別のシミの適切な治療法とは?
編集部: それぞれのシミに対し、適切な治療法を教えてください。 吉原先生: まず老人性色素斑に対しては、ピコレーザーなどのレーザー治療できれいにすることが可能です。ピンポイントで除去したいシミを改善でき、肌へのダメージも比較的抑えることができます。 編集部: 雀卵斑はどのようにして治療するのですか? 吉原先生: 医療機関によって異なりますが、たとえば当院では、ピコスポット、ピコトーニング、ピコフラクショナルの3つを組み合わせて治療しています。ピコスポットは高出力レーザーをピンポイントで照射するもので、特に濃いシミに対して有効です。 ピコトーニングは、薄いシミに対して有効で、肌をトーンアップする効果が期待でき、また、ピコフラクショナルは肌の深層部にまで届きやすいという特徴があります。 このように3つとも特徴が異なるので、すべて組み合わせて使用することで効率よく、雀卵斑を治療できるのです。そのほかフォトフェイシャルなどのIPL(光治療)でも薄くすることは可能とされています。 編集部: ADMの治療法は? 吉原先生: ADMにはピコレーザーを使うことをおすすめしています。従来は、QスイッチルビーレーザーやQスイッチYAGレーザーによる治療が行われてきましたが、施術後に色素沈着が長く続くことが問題とされてきました。 その点、ピコレーザーを使うことで色素沈着の時間が半分くらいに短縮されるというメリットがあります。 編集部: 肝斑はどのようにして治療するのですか? 吉原先生: ほかのタイプのシミと違って、特にシミ取りレーザーやフォトフェイシャルなどの光治療をすると、かえって濃くなります。そのため肝斑の治療は内服治療、点滴、外用薬、ニードルRF、ピーリングなどを組み合わせるのが一般的です。 編集部: それぞれのシミに適した治療を行うことが必要なのですね。 吉原先生: はい。間違った治療を続けると時間やお金を無駄にするだけでなく、かえってシミが濃くなったり、悪化したりすることもあります。 適切な治療を行うには、正しくシミの治療を見分けることが肝心。場合によっては複数のタイプが合併していることもありますから、治療の順番を講じることも大切です。 編集部: 最後に、Medical DOC読者へのメッセージがあれば。 吉原先生: シミにはさまざまな種類があり、それぞれ治療法が異なります。そのため効果的にシミを消すには、正しい診断に基づく治療と丁寧なカウンセリングが重要です。 もしカウンセリングや事前説明が不十分だと、正しい治療をしていても「全然良くなっていないような気がする」「このまま治療を進めてもいいのだろうか」と患者さんが不安になることも少なくありません。 カウンセリングでは「治療の経過をしっかり説明してくれるか」「治療のメリットとデメリットを正確に教えてくれるか」「治療期間はどれくらい必要か」などをきちんと説明してくれるかどうかをしっかり確認。 また、医師との信頼関係を築くため、相談しやすい医師を選ぶことも大切だと思います。