「スマホに紙の会員証やポイントカードも取り込める」 Androidのウォレットアプリを大活躍させる裏技
一方で、日本のSuicaのように、独自の交通系ICを導入している国や地域も存在する。上記のカリフォルニア州にあるベイエリアも、そんな場所の1つ。同地域では「Clipper」と呼ばれる交通系ICがあり、電車やバスに乗ることができる。アメリカでは、ワシントンDCやシカゴも独自の交通系ICを導入している。 現地に着いてからカードを購入する手もあるが、こうした地域に旅行、出張で行く際に、事前の準備として日本でスマホに入れておけると便利だ。実はウォレットアプリは、こうした交通系ICの一部にも対応しており、それが可能。ただし、現状ではウォレットアプリ単体で、交通系ICの新規発行はできない仕様になっている。
裏技的だが、これを解決するにはGoogle マップを使うのが手っ取り早い。例えばサンフランシスコの場合、同市内の適当な2地点を選んで経路を検索し、電車やバスのタブをタップする。すると、経路の途中に「スマートフォンで運賃を支払う」というボタンが表示される。 ここをタップするとウォレットに飛び、Clipperを新規発行できる。チャージにはウォレットに登録した日本のクレジットカードも利用できた。同様に、ワシントンDCでも、同じ手順で「SmarTrip」という交通系ICを発行することが可能だった。手順が少々トリッキーだが、現地についてすぐに電車やバスに乗れる利便性は高い。
ただし、シカゴの「Ventra」は同様の手順では新規発行ができず、アプリも日本のアカウントではダウンロードできなかった。地域によっては、できないこともあるようだ。また、ロンドンやニューヨーク、シドニーなど、クレジットカードのタッチ決済で直接乗車できる国や地域も増えている。海外渡航の際には、こうした手段が使えるかどうかもチェックしておくといいだろう。
石野 純也 :ケータイジャーナリスト