米長期国債、2025年も下落か-利下げ局面でのスティープ化取引に妙味
ブランディワイン・グローバル・インベストメント・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ジャック・マッキンタイア氏は「FOMCは金融政策の新たな段階、つまり休止段階に入っている」と指摘。「この状態が長引けば長引くほど、市場は利上げと利下げを同程度に織り込む可能性が高くなる。不透明な政策を受け、2025年の金融市場はより不安定になるだろう」と述べた。
ブルームバーグのアリス・アンドレス氏は「今年最後のFOMC会合はすでに終了しており、その結果は年明けにかけてイールドカーブのスティープ化を後押しする可能性が高い。しかし、トランプ政権が1月に発足すると、新たな政策を巡る不透明感から、その動きは失速する可能性がある」と指摘した。
金融政策当局者が先週、根強いインフレ懸念がある中で、借り入れコストの引き下げをどの程度速く継続できるかについて、より慎重な姿勢を示したため、債券トレーダーは意表を突かれた。政策金利は20年ぶりの高水準から1ポイント引き下げられたが、当局者は2025年の0.25ポイント利下げを2回しか想定していない。当局者19人のうち15人がインフレの上振れリスクを認識。9月の予測の3人から大幅に増加している。
債券トレーダーはすぐに金利見通しの修正に動いた。金利スワップ取引は6月まで追加利下げを完全に織り込まなくなった。来年の利下げ見通しは合計で約0.37ポイントと、ドットプロット(金利予測分布図)の中央値である0.50ポイントを下回っている。ただオプション市場では、よりハト派的な政策路線に賭ける取引が優勢となっている。
ブルームバーグの米国債ベンチマークは長期債主導で2週連続で下落し、今年の上昇分がほぼ帳消しとなった。FOMCが9月に利下げを開始して以来、米国債は3.6%下落している。これに対し、過去6回の金融緩和サイクルの最初の3カ月では、債券はプラスリターンを記録していた。