実はこんなにお金がかかるなんて衝撃!「老後破産」を招く6つの理由と対策【介護アドバイザーが解説】
◆理由6:事故などで想定外の出費が発生する
自宅で転倒するなどささいな事故でも、高齢になると重症化しやすくなる傾向にあります。治療費や、自宅に手すりを付けるリフォームなど、生活環境を安全に整えるための費用がかさみがちです。 また、高齢者ドライバーの運転による事故が相次いでいますが、交通事故を起こすと修理代や賠償でお金がかかることはもちろん、人身事故を起こせば取り返しのつかない事態に陥る可能性も少なくありません。
◆老後破産を避けるためにできること3つ
では、老後破産を避けるために、何ができるのか。筆者は大きく3つのポイントに分かれると考えています。 まずは「収入を増やす」こと。投資について勉強して、無理のない範囲で実践するのもいいかもしれません。 なお、高齢の親だけに任せると金銭トラブルにつながるリスクが高いため、子どもも一緒に「これからのお金、どうしようか」と相談しながら進めていくのがいいでしょう。 また、定年退職後もなんらかの仕事をして、継続的に収入を得ていくことも必要だと思います。 2つ目は「リスクを減らす」こと。親子で老後の費用について話し合い、ムダ遣いを減らすことは老後破産を避けるために大切です。 「退職金をもらったからぜいたくしたい」「親の生活に口を出すな」などと、老後資金の話を嫌がる親も多いでしょうが、一度で済まそうとせずに時間をかけて何回も話し合ってみてください。 また、適度な運動や生活習慣の改善で健康を維持すること、ある程度のバリアフリーリフォームや福祉用具の活用で生活環境の安全性を高めることも大事だと思います。 運転に不安があるなら、免許返納も視野に入れて「どうすれば安全に過ごせるか」考えてみてください。 最後は「負担を減らす」こと。高額医療費や高額医療サービス費など、医療や介護にまつわる費用を軽減する制度を勉強して積極的に活用しましょう。 必要に応じて、民間の医療保険や介護保険を利用して一時的な出費に備えたり、生活福祉資金貸付制度など公的な融資制度を使えば、いざというときに対応することもできるかもしれません。 こうした制度を調べて知っておくだけで、老後破産を招かずに済む可能性が高まるのです。 ご紹介した方法以外にも、今すぐ実践できることは少なくありません。少しでもリスクを減らしておきたいところです。 なお今回は、老後破産を招く理由の中から、以下の理由は除外しています。 ・失業した、転職に失敗した ・事業や投資に失敗した ・借金の保証人になっている ・ギャンブル依存である ・買い物依存である これらは、老後に起きた事情による破産ではなく、そもそも破産、または老後破産予備軍だったものでしょう。 参考 生命保険文化センター「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」 厚生労働省 「生涯医療費(令和3年度)」
▼横井 孝治プロフィール
両親の介護をする中で得た有益な介護情報を自ら発信・共有するため、2006年に株式会社コミュニケーターを設立。翌年には介護情報サイト「親ケア.com」をオープン。介護のスペシャリストとして執筆、講演活動多数。また、広告代理店や大手家電メーカーなどでの経験を生かし、販促プロデュース事業も行う。All About 介護・販促プロモーションガイド。
横井 孝治(介護アドバイザー)