【あなたの共感力、衰えてるかも!?】脳老化タイプのひとつ「共感低下型の老化脳」について脳科学者が解説!
仕事もプライベートも忙しく、ストレスにさらされる毎日。最近は、スマホやマルチタスクの影響も相まって「脳疲労」というワードが身近になってきたけれど、放っておくとそれが「脳老化」へと繋がってしまう可能性が。今回は、そんな脳老化のタイプの中から、「共感低下型の老化脳」について解説します。 20・30代も脳の老化が加速中!? 【脳老化診断】脳の老化をチェック!
【脳老化】って一体何? 18歳から老化するって本当!?
教えてくれたのは……西 剛志さん 脳科学者・分子生物学者。博士号を取得した後に特許庁を経て、2008年に企業や個人のパフォーマンスをアップさせる会社を設立。世界的に成功している人たちの脳科学的なノウハウをレクチャーし、才能を引き出す方法を提供している。テレビや雑誌、WEBといったメディア出演や講演など多角的に活動し、『80歳でも脳が老化しない人がやっていること』(アスコム刊)をはじめ著書も多数。
共感低下型の老化脳
“人の話をあまり聞いていない”のが、このタイプの特徴! 人の気持ちを理解する『前帯状皮質(ぜんたいじょうひしつ)』や『島皮質(とうひしつ)』などを含む箇所が衰えてきている『共感低下型』タイプ。共感や直感、感情などに関わる2つの部位の活動が低下していることによって、他人のことはどうでもよく、人の話を聞かなくなっている傾向が。たとえば、列に割り込んだり、自分のことばかり主張したり、相手に対して無配慮であることなどが特徴といえます。電車内で音漏れが周りの人を不快にさせているのに、それに気づかない……というのも、『共感脳』の働きが弱いということの現れですね。基本的に『相手の気持ちを読む力』のピークは48歳とされていますが、実はピークの振れ幅が大きいという珍しい能力。そのため、20代30代であっても共感脳が衰えているというのはありうることです。
今からやるべき脳老化対策
・相手の言うことを復唱しながら会話をしてみる ・目を見ながら話す ・映画やドラマのストーリーで登場人物の気持ちになって考えてみる 相手の気持ちがどうでもいいという状態に陥りがちなので、まずは相手が言っていることを復唱する習慣を。たとえば相手が『今日、●●というレストランに行きました』と言ったとしたら、『おいしかったですか?』と聞くのではなく、まず『●●というレストランに行ったんですね~』と復唱しながら返す。これには、相手が自分を理解してくれているという安心感と好感度が上がるとともに、自分自身も相手が言ったことに対して脳内でイメージを膨らませやすくなるというメリットがあります。会話のときは、相手の目を見ながら話すことも併せて意識するといいでしょう。また、もともと他者とのコミュニケーションが苦手な人は、映画やドラマなどのストーリーものを観て、主人公の気持ちになってみるというのも効果的。ただ鑑賞するのではなく、登場人物に気持ちを寄せて『どんな気持ちでこのセリフを言ったのか』と踏み込んで考えていくと、共感脳の老化対策になります。 イラスト/本田佳世 取材・文/橋場鈴里 Edited by 西村 美名子