地球環境にもいい「プラネタリーヘルスダイエット」とは? 栄養士が解説
※この記事は、海外のサイト『Prevention』で掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。 ほとんどの食事法は、健康状態の改善や、体重を減らすことに重点を置いている。しかし、今話題のプラネタリーヘルスダイエットはさらに一歩進んでいて、人間の健康だけでなく地球の健康にも役立つことを目指しているという。 医学誌『アメリカン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリション』に掲載された最新の研究テーマとなったこのダイエットについて、研究者らは調査の開始時にがんや糖尿病、主要な心血管疾患に罹患していなかった20万6千人以上の食事データと健康記録を分析した。その結果、プラントベースの食品に少量の肉と乳製品を加えたプラネタリーヘルスダイエットを忠実に実践した人は、実践しなかった人に比べて、早期死亡のリスクが30%低かったことが分かった。また実践者は、がん、心臓病、肺疾患による死亡リスクも低かったという。 そのうえ、このダイエットを実践すると環境への負荷が低くなり、温室効果ガス排出量は29%、土地利用率は51%減少したという。けれど、プラネタリーヘルスダイエットとはどんな食事法でどんな仕組みなの? 栄養士が説明してくれた。
プラネタリーヘルスダイエットとは
プラネタリーヘルスダイエットとは、2019年にEATランセット委員会が医学誌『ランセット』で発表した科学レポートで初めてまとめられた食事法。そのレポートでは、増加し続ける世界人口を養うために、健康と持続可能性を促進するプラントベースの食生活が推奨されていた。 プレスリリースによると、プラネタリーヘルスダイエットは、加工を最小限に抑えた幅広いプラントベース食品の摂取に重点を置きつつも、肉や乳製品の摂取も多少許されている。「プラネタリーヘルスダイエットを実践することで、現在の個人の健康と、未来の世代にとってより住みやすい地球環境という、二つの大きなメリットが得られます」と、ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院の疫学および栄養学教授で、この研究の共著者であるウォルター・ウィレット医学博士は話している。