【闘病】嫌な喉の痛み… まさかの「ステージ4の悪性リンパ腫」だった
喉の痛みが治らず病院を受診したところ「悪性リンパ腫」と診断された大沼さん。悪性リンパ腫と聞くと、とても怖い病気というイメージがありますが、大沼さんの場合は抗がん剤がよく効き、完全寛解したそうです。 【イラスト解説】「悪性リンパ腫」の初期症状・末期症状 今回は大沼さんの闘病体験を通して、悪性リンパ腫を理解していきたいと思います。 ※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2023年5月取材。
水を飲むのも辛いほどの喉の痛みから、悪性リンパ腫と診断
編集部: 病気が判明した経緯について教えてください。 大沼さん: 喉の痛みが治らずにどんどん悪化していき、水を飲むのも辛い状況になりました。発熱や倦怠感もなく、喉の痛みだけなので耳鼻咽喉科に行きましたが、複数の抗生剤や漢方薬でも治りませんでした。 次に大きい病院の耳鼻科で組織検査をしても、はっきりした病名はわかりませんでした。そこでPET検査を受けたところ、悪性リンパ腫の可能性があるとのことで、血液内科のある病院を紹介されました。 耳鼻科ではあご付近にあったしこりの生検も行い、後日悪性リンパ腫の中でも低悪性度の「濾胞性(ろほうせい)リンパ腫」と診断されました。 編集部: どのように治療を進めていくと医師から説明がありましたか? 大沼さん: ステージ3なので化学療法(抗がん剤)で治療すると言われました。ただ私の病型は年単位でゆっくり進むものなので、喉の痛みがなければしばらく経過観察をしてもよいとのことでした。 でも、当時はコロナ禍で、ワクチンを2回打ったあとでなければ抗がん剤ができません。なかなか予約が取れないワクチンですが、かかりつけ医の協力で早く打つことができたこと、1回目の接種後に喉の痛みがなくなったことで、しばらく経過観察となりました。 しかし、そのあと急激にあごのリンパが腫れ、涙腺にも腫瘍ができてステージ4となったので抗がん剤治療を始めました。 編集部: 具体的にどのような抗がん剤治療を行なったのでしょうか? 大沼さん: 標準治療である「R-CHOP療法」を6クール行いました。また、涙腺を支配する脳神経(中枢神経)などには抗がん剤があまり届かないとのことで、脊髄腔(せきずいくう)へ注入する化学療法でメソトレキセートとデキサメタゾンを計2回投与しました。 初回は入院しましたが、2クール目からは通院で行いました。 編集部: 病気が判明したときの心境について教えてください。 大沼さん: やっと診断がついてほっとした気持ちでした。 編集部: 発症後、生活にどのような変化がありましたか? 大沼さん: しばらく会社を休んで療養している間、ネットで情報を探しました。悪性リンパ腫患者の会にも入会し、電話相談も利用しました。その後、抗がん剤治療を開始してから仕事に復帰しました。 2週間で脱毛が始まったのでウィッグをつけましたが、手入れは必須ですし、野外で風の強い日の活動なども苦労しました。生活面では頭髪だけでなく、眉毛、まつ毛も脱毛するので外見の変化に対応するのが一番大変でした。 近所の人に病気のことを話しておらず、玄関先や庭の掃除をしたいときもウィッグをわざわざつけて出るのが面倒で、外に出ることが減りました。 先日やっとウィッグを外しましたが、生えてきた髪はくせ毛になってしまって、整髪に苦労しています。また寛解後は、元気なうちにやらなければいけないことや、やりたいことをやらなくては、という意識が強くなりました。