親が気づかない「できる子」の自己肯定感の低さ 手がかかる下の子ばかり気に掛けていたら
では、どのようなコミュニケーションをとればいいでしょうか。単純に子どもと会話すればいいわけではなく、効果的なコミュニケーションをとる必要があります。 それは「雑談」をテーマとする会話をすることです。 ■効果的な雑談の方法 (1)雑談内容 雑談というぐらいですから、何でも構わないのですが、一つ注意しなければならないことがあります。それは「勉強関係」についてはテーマとして避けることです。なぜなら、子どもが話をしたくないテーマの一つである可能性が高いからです。そのようなテーマで話しかけると子どもは、その言葉を「勉強しなさい」と解釈したり、親の愚痴として受け取ったりします。また、思春期の子の場合は、友人関係についても触れてほしくない場合もあるので注意が必要です。
お勧めのテーマは、天気や食べ物や、今日の出来事、日常の些末な情報などです。「おはよう」や「ありがとう」という言葉をかけることでも構いません。これも雑談の一種ととらえてください。とにかく大切なことは、「子どもが自分を気に掛けてくれていると感じること」です。 (2)頻度 コミュニケーションは頻度が高いほど信頼関係が高まると言われています。その意味でも、頻度は多いほうがいいでしょう。ただ、あまりに増やしすぎると、子どもが「ウザい」と感じることもあるので、日頃、対話が少ないなと感じたら、少し意図的に増やしてみる感じで行ってください。
(3)タイミング 「子どもがすぐ自室に入ってしまうので、なかなか話ができない」「スマホばかり見ているので会話ができない」という声を聞くことがあります。 しかし、一日のうちで、少しでも会う時間はあるはずです。そのようなときに雑談をすればいいのです。親から話をして子どもが反応しない場合もあります。それでも構いません。コミュニケーションは双方向の意思疎通だと認識されることが一般的ですが、筆者の経験から言えば、一方通行でも成立します。なぜなら、子どもの耳には届いており、それがやがて子どもの反応を引き出し、そして対話に発展することが多いからです。ですから反応が薄くても、積極的にしてみてください。