マイコプラズマ肺炎、広島で流行の気配 県内の患者報告最多、感染94%が14歳以下
しつこいせきが続くマイコプラズマ肺炎の患者が増えている。広島県内でも、定点医療機関から報告された患者数は統計が残る2001年以降、過去最多を記録。新型コロナウイルスの感染対策もあって近年は感染者が少なかった。専門家は「免疫を持たない人が増え、流行が拡大している可能性がある」という。 【写真】肺炎マイコプラズマ(国立感染症研究所提供) 県内20カ所の定点医療機関から報告された直近1週間、9月23~29日の患者数は54人で、1医療機関当たり2・70人となった。これまで最も多かったのは11年に報告のあった1・14人で、今回は大幅に上回る。特に8月以降は高い水準となっている。 マイコプラズマ肺炎は、肺炎マイコプラズマという細菌が引き起こす感染症で、飛沫(ひまつ)や接触で広がる。発熱や頭痛、乾いたせきなどの症状が出る。熱が下がっても、せきが3~4週間続くことがある。まれに重症化したり、髄膜炎や脳炎などの合併症を起こしたりする。これまで4年ほどの周期で流行していた。 感染は10代以下が大半で、今年は14歳以下が94%を占めている。病院に勤務する東広島市の女性(44)は9月中旬、中学2年の長男(13)がマイコプラズマ肺炎と診断された。「せきはしていたけど、熱は出ても37度台前半。まさか肺炎だなんて思わなかった」。学校にも通っていたとして「誰かにうつしていないかとひやひやしました」と話す。 小児科医で舟入市民病院(広島市中区)の岡野里香副院長は、小まめな手洗いやせきエチケットが重要とし、「熱が下がってもひどいせきが続けば早めの受診を」と呼びかけている。
中国新聞社