全国で2番目に混雑する鉄道が開業100年 黄色い600形は廃車へ 「悲運の鉄道」は今、再開発ど真ん中の注目路線に
RKB毎日放送
朝の通勤時間帯。全国で2番目に混雑する鉄道が九州にある。100年前の大正時代「宮地嶽線」として開業した西鉄貝塚線だ。昭和の大恐慌や戦争で当初の延伸計画がことごとく頓挫し「悲運の鉄道」と呼ぶ人も。そして今、わずか2両編成の小さな鉄道は、再開発のど真ん中を走る注目の路線に変貌している。 【写真で見る】朝の通勤時間帯に全国で2番目に混雑する鉄道 西鉄貝塚線 ■黄色い600形が走る11キロ 西鉄貝塚線は、福岡市の東部・東区箱崎の貝塚駅から福岡県新宮町の西鉄新宮駅まで11キロをつなぐ鉄道。全部で10駅ある単線で、2両編成の黄色い600形が始発駅から終点までの約20分を走る。 国土交通省の調査によると、貝塚線の名島駅から貝塚駅までの朝の通勤時間帯の混雑率は154%。東京都の日暮里・舎人ライナー(赤土小学校前~西日暮里)の155%に次ぐ混雑率だ。 ■100周年を記念したラッピング列車 23日、開業から100周年を迎えラッピング列車がお目見えした。出発式には地元の保育園に通う園児らも参加した。 子供と参加した母親 「キャラクターがとてもかわいらしくて早く乗ってみたいなと思います」 「運転席が先頭車両だと見えるので、運転手の方が頑張っているところを子供といつも見て応援しています。」 ■3つの異なる路線と接続 利便性は抜群 多くの人が利用する理由のひとつは、約11キロの間に3つの異なる路線と接続していて乗り換えがとても便利なこと。起点となる貝塚駅で福岡市営地下鉄箱崎線に。途中の和白駅ではJR香椎線に、そして千早駅ではJR鹿児島線が接続している。 ■開業は大正時代「三社参り」が売り 西鉄貝塚線が開業したのは、今から100年前の大正13年=1924年で、当初は、福岡市の新博多~和白間で運行を開始した。1951年には福岡県福津市の津屋崎まで開通、このころは「宮地岳線」と呼ばれていた。(1950年ごろまで表記は宮地嶽線だった) 研究を続ける福岡鉄道史料保存会・理事長の吉富実さん(69)は、こう話す。