青学大、6区の野村昭夢が独走で史上初の記録 山下りのコツは?
青学大の野村昭夢(4年)が箱根駅伝の復路6区で史上初の56分台となる56分47秒を記録した。2位以下を突き放して首位を独走し、区間新記録(区間賞)をマークした。 【写真】区間賞を取り、「全てが美しいものだった」と語った青学大の太田蒼生 レースプランなんてない。「最初から飛ばして、最後にきつくなったら我慢する」。根性で山下りの20.8キロを駆け抜けた。 スタート前は2位中大と1分47秒差があった。前日の往路を終えた際、原晋監督からはさらに30秒差をつけるように指示され、「頑張れよ」と声をかけられた。 ただ、1年かけて56分台を目指していた野村は「もっといける」。コンディションも良かった。「4区の太田が詰めてくれて、5区の若林が抜いてくれるだけじゃなくて後ろとも離してくれた。リラックスして走れました」 昨年も同じ区間を走り、58分14秒で区間2位と好走していた。今回は従来の区間記録(57分17秒)を30秒も更新。原監督は監督車から「大記録だよ!」と声を上げていた。 山下りのスペシャリストとして、そのコツは? 野村は「もう、休まないだけですね。足もきついんですけど」と笑った。 自身にとって最後の箱根駅伝だった。「アンカーが1年生。1秒でも離してあげるのが4年生の役目」と責任感も増していた。 沿道からの声援や仲間の声かけには笑顔で応じた。「サポートしてくれる選手も面白いことをしてくれて、楽しく走れました」 そう言ってすぐ、「いや」と訂正した。「きつさの方が大きいですね」。言葉とは裏腹に、表情は充実感に満ちていた。(室田賢)
朝日新聞社