パブリッシャーはカンヌで プログラマティック広告 の可能性をマーケターにアピール
プログラマティック広告がカンヌライオンズのパーティーの花形になったことはいまだかつてないが、ことしの状況を思い描いてみてほしい。オープンなプログラマティック広告市場における広告予算の縮小、MFA論争の勃発、ドメイン偽装の懸念、GoogleのサードパーティCookie廃止の(再)延期など、リストはまだまだ続く。 メディア企業の幹部たちは、直接の売り込みをもっと促進する必要があることを肝に銘じ、カンヌでそれを実行に移した。彼らは、ビーチでのコンサートで偶然出会った人とロゼワインを飲みながらの談笑を大切にしつつ、2024年後半には広告主との契約が結ばれることに期待している。 しかし、彼らもまた、プログラマティック広告が彼らのビジネスの多くにとって有意義な収益源であり続けていることを認めている。そして、パブリッシャーの報告によると、メディア予算がオープンなマーケットプレイスから離れ、プログラマティック・ギャランティード取引やPMPへと内々に徐々にシフトしているなかで、マーケターとともに前述した懸念に対処することは、ことしクロワゼットで行われたクリエイティブな会話と同じくらい重要だったという。
アドテクノロジー担当者を引き連れる
それでもなお、Cookieが価値を失うことに関する会話は、パブリッシャーにとっては、新しさもユニークさも啓発もまったくない、まるで以前と同じことの繰り返しのようなものだった。カンヌでの、その背景にまつわる会話では、パブリッシャーはGoogleの段階的なCookie廃止のスケジュールや、同社が市場に提供するものへの落胆を表明する一方で、自分たちが持つデータセットには期待しているとアピールしているようだった。そうして、地球は太陽の周りを一周回って、また1年が過ぎることになる。 にもかかわらず、一部のパブリッシャーはことし、Cookie廃止に関する広告主の心配について直接話すことができるアドテクノロジーの担当者をカンヌライオンズに初めて連れてきた。 ことしのカンヌにおいて、英国のパブリッシャーであるフューチャー(Future)では、広告運用部門責任者が同社を代表するメンバーに加えられたため、チームのセールストークにはプログラマティック機能を含めることができたという。カンヌライオンズに先立ち、同社の米国販売担当シニアバイスプレジデントであるマット・トロッタ氏は米DIGIDAYに対して、「プログラマティック広告について広告主が抱いている懸念に関連した『本当に長いToDoリストとアクションアイテム』を持って帰ることになりそうだ」と語っていた。