自宅で介護、または施設に入居…75歳からのがん患者の生活をいかにして支えるか
在宅生活が難しければ施設で暮らすことを検討します
さまざまな支援が受けられるとはいえ、ひとり、あるいは高齢者のみで暮らしている人などは、在宅での療養生活に不安を感じているかもしれません。なかには高齢者向けの施設で暮らすことを検討している人もいるでしょう。 高齢者向けの施設にはさまざまなタイプがあり、介護保険を利用して入れる施設もあります。しかし、がんの状態や治療の状況によっては入所・入居が難しい施設もあります。いくつか候補を絞ったら、直接確認してみましょう。
施設選びは条件をよくみて検討する
ケアマネジャーなどの話、インターネットで集めた情報などだけで決めず、詳しい条件などは施設側に確認したうえで検討します。 ■がんの治療中でも大丈夫? 服薬の管理は医療行為にあたります。看護師が常駐していない施設や、常駐していても施設側の決まりとして、内服によるがんの薬物療法を続けている人は受け入れていないこともあります。 (2)通院のつきそいはしてもらえる? 多くの場合、通院のつきそいは施設職員ではなく家族がおこなうことになります。 ■ストーマ装具の貼り替えはしてもらえる? 施設によって異なります。貼り替え以外にどのような援助が必要かにもよるでしょう。 ■がんの痛み治療を受けられる? 医療用麻薬の管理はしないところも多いため、緩和ケアをおこなう施設を探したほうがよいでしょう。 ■最期まで過ごせる? 看取りまで可能とする施設もあります。看取りはしない施設なら、入院する、看取り 可能な施設に移る、自宅に戻るなど対応は分かれます。 ■がん以外の条件 ・介護保険施設が利用できるのは要介護の認定を受けている人(特養は要介護3 以上)のみ。支払う費用は少なめですが、空きがなくすぐには入所できないことも少なくありません。 ・認知症の有無や程度によっては、受け入れ不可とする施設もあります。 続きは<「がんだから安静に」は大きな誤解! 「動かない」「食べない」「飲まない」は要注意>で公開中。
小川 朝生(国立がん研究センター東病院臨床開発センター精神腫瘍学開発分野長)