広島市に大雨特別警報 「広島県内の他の自治体や他県でも発表の可能性、早めの備えを」
前線が日本付近に停滞している影響で、各地で大雨となっている。気象庁は13日朝、広島市でこれまでに経験したことのないような大雨になっているとして、同市に大雨特別警報を発表した。 大雨特別警報は、5段階の大雨警戒レベルで最も危険な「レベル5」に相当する情報。発表された段階では、すでに土砂災害や洪水など何らかの災害が発生している可能性が高く、避難場所へ移動する行動そのものが危険な場合も考えられる状況だ。 気象庁は「指定された避難場所への避難がかえって危険な場合は、少しでもがけや沢から離れた建物や、少しでも浸水しにくい高い場所に移動するなど、身の安全を確保する必要がある」としている。
特別警報が発表された地域以外の人も高い関心を持って
大雨特別警報発表を受け、気象庁と国土交通省は同日午前10時から合同で記者会見を行った。 気象庁の黒良龍太・予報課長は「広島県では線状降水帯が発生して、午前6時ごろから急激に雨が強まり、大雨特別警報発表に至った」と説明したうえで、「広島県では線状降水帯がいつ発生してもおかしくない状態が続いており、広島市以外の市町村に大雨特別警報を発表する可能性もある。また、これまでの48時間で記録的な大雨を記録している長崎県など九州北部にも大雨特別警報発表の可能性がある」と話した。 さらに今後も前線が停滞し、大気の状態が不安定で、東日本~西日本の広い範囲で長期間にわたって雨が降り続くことが予想されることなどから、「どこでも急激に危険な状況になり、大雨特別警報を発表する可能性がある。どの地域の人も油断せず、すぐに避難できるようにしておいてほしい」「大雨特別警報が発表されてからでは逃げ遅れることになる。発表を待つことなく、地元自治体の避難情報に従ってほしい」などと強く呼びかけた。 また、国土交通省の室永武司・河川保全企画室長も「今回、特別警報が発表された地域以外の人も高い関心をもってほしい。ぜひ事前にハザードマップを確認して」と話した。