豪雨災害が多発する梅雨末期に似た状況 来週にかけて大雨に警戒を
前線が日本付近に停滞し、梅雨末期に似た気象状況となるため、大雨が長く続く恐れがある。気象庁は11日、「いつどこで災害級の大雨となってもおかしくない状態が来週にかけて続く。土砂災害に厳重に警戒するとともに、低い土地の浸水や河川の増水・氾濫にも注意が必要だ」と呼び掛けた。 気象庁命名の豪雨災害、7割以上が「7月豪雨」 梅雨末期は全国的に大雨に警戒を 気象庁によると、中国大陸から九州付近にのびる前線は、次第に日本の東にのびて、その後も来週にかけて日本付近に停滞する見込み。この前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、前線の活動が活発な状態がしばらく続く見込みだという。 これは、過去に豪雨災害が多発している梅雨末期と似たような気象状況といえる。梅雨明け後の8月中旬という今の時期によく起きる状況ではないものの、過去に広島市などで大規模な土砂災害が発生した「平成26年8月豪雨」の時のように、8月であっても前線が停滞し、大雨が一週間程度続いた例があるという。 九州を中心とした西日本では、これから13日にかけて大雨となり雷を伴う非常に激しい雨が降る所がある見込みで、13日以降、東日本や北日本も含め広い範囲で大雨となるおそれがある。また非常に激しい雨が同じ場所で降り続く「線状降水帯」がいつ発生してもおかしくない状況にあるという。また、現在は発生していないものの、台風が日本の南海上で新たに発生した場合、さらに前線の活動を活発化させる可能性もある。 気象庁の岸本賢司主任予報官は「すでに台風9号や10号、またそれから変わった温帯低気圧の影響で大雨が降り、地盤が緩んでいるところがある。そういったところでは、少しの雨でも災害の危険度が高まるので特に注意してほしい。また、お盆で、人の動きが多くなる時期だが、大雨によって交通が大きく乱れる可能性もある。最新の気象情報をこまめに確認し、大雨になりそうだったり、大雨になった場合は、予定を変更できるように備えておいてほしい」と話している。