高校生で野球選手の夢に挫折…小島よしおが「大学中退」に反対した母に感謝する理由
「2030年に創造したい未来」というテーマでアイデアを募集したFRaU SDGs eduこどもプレゼンコンテスト。3年目となる今年も、たくさんの素晴らしい作品が集まった。コンテストの審査員を務める1人、お笑い芸人の小島よしおさん。近年、ライブや書籍出版、YouTubeチャンネル開設など、子どもたちを相手に“キッズ芸人”としての活動の場を広げている。 【写真】小島よしおさんがプロ野球選手の夢を諦めるきっかけとなった「高3の出来事」 未来を見据えて作品をつくるこのコンテストにちなんで、芸人として夢を叶えた小島よしおさんに【夢】についてインタビュー。前編は、小島さんの少年時代のエピソードから、夢を諦めることになった瞬間、好きなことを見つけて、夢を掴むまでのお話。 小島よしおさん お笑い芸人
子どもの頃の夢はプロ野球選手
子ども向けライブやYouTubeでの活躍で、子どもたちの心をグッとつかむ小島さん。子ども向けの教育系芸人=キッズ芸人として確固たる地位を築きつつある小島さんは、ご自身も2024年2月にパパになったばかりだ。 お笑い芸人としての小島さんのイメージは、いつも一生懸命で全力投球。しかし、少年時代からお笑い芸人の夢に向かって一直線に走り続けていたのかと伺うと、そうでもないらしい。 「僕は、小学1年生から少年野球をしていました。野球をはじめたことで2歳年上の兄の友人たちと仲良くなって、そこで社交性が身についたんじゃないかなと思っています。みんなに可愛がってもらえることが本当に嬉しくて、ふざけて笑わせようとしたり。少年野球時代に、自分の性格の基礎が出来上がった気がします」 野球チームでもクラスでも、輪の中心で仲間を盛り上げるお調子者のポジションだった。小学校の頃の夢を訊ねると、「総理大臣になる、とか言っていた気もするな」と笑いながら振り返る小島さん。 「でも、ずっと野球を続けていたので、高校3年生までは純粋に、『プロ野球選手になりたい、なるんだ』と思っていましたね。大学へ行ってからも野球をやり続けよう、と」 しかし高校3年生のある日、夢を諦めるきっかけとなる、とある出来事が起こる。 「高3の時、これまで部活をしてこなかった同級生の友達に、背筋力で負けたんですよ(笑)。僕は筋トレをめちゃくちゃ頑張っていたのに、運動嫌いのコンビニでバイトしている同級生に勝てなかった。その時ふと、プロの世界ってこういうバケモノがゴロゴロいる世界なのかもしれない、と思ってしまったんです。 それまで夢中になって練習を頑張っていたんですが、『もう無理だな』と。でも、今思えばどこかで、自分の才能や技術的なものに限界を感じていたんだと思います。最後の諦めるきっかけをずっと探していたというか、その友達に負けたせいにして辞めたんです」 こうして、子どもの頃から言い続けていたプロ野球選手になるという夢は高校3年生にして途絶える。 「ずっと言い続けてきたからやらないとなって、義務感があったのかもしれない。でも、自分はこれじゃないと悟ったというか、吹っ切れた瞬間でしたね」