実家は洗濯に「残り湯」を使用! 衛生面が心配だけど、実際「節約」になってるの? 衛生面の影響とあわせて解説
物価高騰が続く中、光熱費を少しでも節約したいと考える人は多いでしょう。その方法の1つとして、「お風呂の残り湯を洗濯に使う」というアイデアがあります。 お風呂の残り湯を洗濯に使うと節約できそうですが、実際どれくらいの節約ができるのか? また、衛生面は大丈夫なのか? といった疑問を抱く人もいるでしょう。 ▼節約のためにトイレを「3回に1回」だけ流すのは危険! 節約効果とデメリットを解説 本記事では、お風呂の残り湯を洗濯に再利用する際の節約効果や、衛生面の影響について解説します。
残り湯洗濯は年間7200円の節約効果?
一般的な家庭のお風呂は、約200リットルの水が入ります。そして、容量が12キログラムの洗濯機の場合、1回の洗濯で約125リットルの水が利用されます。洗濯に必要な水のうち、100リットル分の水を残り湯で代用できれば、その分の水道料金を節約することが可能です。 水道料金は自治体によって異なりますが、1リットルあたりおよそ0.1円~0.2円程度とされています。今回は、1リットルあたり0.2円として、毎日洗濯する場合の節約金額を試算してみましょう。 ・0.2円×100リットル×30日=600円 1ヶ月にすると大きな金額に感じないかもしれませんが、1年では7200円の水道料金が節約でき、残り湯の再利用は十分節約効果があると言えるのではないでしょうか。
残り湯洗濯は衛生的に大丈夫?
節約になるとはいえ、体の汚れなどが混じっている可能性の高いお風呂の残り湯を洗濯に利用するのは、衛生面での不安があるかもしれません。次に示す対策をとることで安心して利用できるでしょう。 ■残り湯はすすぎの工程に使わない お風呂の残り湯は、主に「洗い」と「すすぎ」の工程で活用できますが、衛生面を考えるとすすぎには利用せず洗いだけにとどめるのが安心です。 大阪市水道局の調査では、残り湯をすすぎに利用した場合、洗濯物から細菌が検出されたという結果が出ています。一方、洗いの工程で使用する洗濯用洗剤には、残り湯に含まれる細菌が洗濯物に付着しないように働く力があるとされています。 そのため、洗濯物を清潔に仕上げるには、すすぎの段階では水道水を利用することをおすすめします。 ■入浴後24時間以内に利用する お風呂の残り湯は、時間がたてばたつほど細菌が増えるとされています。ある調査では、入浴直後の残り湯を1晩放置すると、細菌が2000倍以上に増えるケースもあるようです。 そのため、残り湯を利用する場合は、なるべく早く利用することが大切です。理想は入浴したその日のうちに使用すること。遅くとも24時間以内に使うよう心掛けましょう。 ■体を洗ってから湯船につかる 湯船につかる前に体をしっかり洗うことを習慣にしましょう。 体を洗わずに入浴すると、皮脂や汗、汚れが湯船に混ざり、残り湯の衛生状態が悪化する可能性が高まります。事前に体を洗っておけば、湯船の水をより清潔に保つことができ、安心して残り湯を洗濯に利用できるでしょう。 また、入浴剤を使用する場合も注意が必要です。着色料や油分を含む入浴剤は、残り湯を使う洗濯に影響を与えることがあるため、残り湯に使用できるものかどうかを確認してから使用しましょう。
まとめ
お風呂の残り湯を洗濯に利用すれば、年間で7000円近くの水道料金の節約ができる可能性がある一方で、衛生面への配慮が欠かせません。洗濯での利用は洗いの工程のみにとどめ、残ったお湯は植物の水やり等に利用するなど、ほかの節約法を組み合わせるとよいでしょう。 執筆者:渡邉志帆 FP2級
ファイナンシャルフィールド編集部