「億単位の資産を失った人」と「高級車を爆買いした人」…2020年代前半に富裕層の明暗を分けた1つの違い
外国人はいまだに、「海外の不動産に比べれば日本の不動産は割安」と言います。また、ビザの取得が容易である点も外国人から日本の不動産が人気である要因の一つだと思います。日本で会社を作ることで簡単にビザが取れる状況のため、不動産でも買って日本に拠点を作っておくか、という富裕層が多いのです。 ● 株価はいったん頭打ちか ゲームチェンジの予兆も 前述のように、2020年代前半は新型コロナウイルス感染拡大に伴う大変化があったものの、24年に至るまで経済は非常に好調な状況でした。 しかし、世界情勢に目を向けると、ロシア・ウクライナ戦争を皮切りに、西側諸国とそれ以外での分断が進んでいます。イスラエルを中心とした中東の紛争も起こっています。 また国内でも、芸能事務所や著名人の不祥事、兵庫県知事選などの選挙を通してテレビを中心とした主要メディアからインターネットに主導権が移ってきたと感じます。要は、コロナ前とコロナ後では、国内外全てにおいてゲームのルールが変わってきているのです。 そういった時代の変化を反映してか、株価も頭打ちとなっています。例えば、日経平均株価が4万円を境に上抜けできず、不動産もマンション価格は堅調ですが、戸建ては投資ニーズがないため、価格が下落しつつあります。 米ナスダックも2万ポイントを境にいったん下落、米S&P500も同様です。株価は半年先の経済を織り込むと言われることもありますが、なんだかんだで順調に推移してきた今後にやや不安な様相を示しているような気がしてなりません。 続く後編では、このような5年の変化を踏まえ、注目すべき2020年代後半の変化のキーワードを考察したいと思います。
江幡吉昭