「石破政権、韓日関係の基調を維持する見込み…国防自立は注視すべき」
[インタビュー]西野純也|慶応大学教授
「石破茂自民党総裁は、基本的には岸田政権の韓日関係を重視し、過去の問題を積極的に解決しようとする基本方針を継続するものとみられる」 韓日関係の専門家である慶応大学の西野純也教授(政治学・現代韓国研究センター所長)は、石破氏が今月1日の臨時国会で首相に就任した後も、岸田文雄首相の韓日関係の基本方針は続くとの見通しを語った。 西野教授は、自民党総裁選翌日の28日におこなったハンギョレとのインタビューで、「ただし、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領と岸田首相が12回も首脳会談を行い、信頼関係を構築してきただけに、石破新首相と韓国が改めて信頼を築くためには、一定の時間は必要だろう」と述べた。 石破氏の歴史関連の問題では「ハト派」、安全保障分野では「タカ派」という評価について、「外交面では韓国と日本の過去の問題に(日本の歴代首相に比べ)前向きな発言をしており、安全保障面では日本の防衛力強化を語ってきたので、両方とも正しいと思う」と述べた。 「ただし、米国との関係では国防の自立を主張しており、過去の政権と多少の違いはあるだろう」との予想も示した。石破総裁は2019年に自身のブログで、日本の過去の問題について、「我が国が敗戦後、戦争責任を正面から向き合ってこなかったことが多くの問題の根底にある」と書くなど、比較的前向きな発言をしてきた。安全保障分野では、米国のハドソン研究所への27日の寄稿で、日米同盟を米英同盟の水準にまで平等にしなければならないと主張するなど、日本の自主性を強調している。 北朝鮮、中国、ロシアと日本の関係については「これまで日本がこれら3カ国と結んだ関係を考えれば、外交と国防の双方に通じている石破氏が首相になっても、日本政府が態度を突然変えるのは難しい」としながらも、「選択の幅は広くはないが、中国とは近隣外交のバランスを取ろうとするだろう」と述べた。 対北朝鮮問題については、石破氏は日本人の北朝鮮拉致被害者の問題を解決するために、東京と平壌(ピョンヤン)に連絡事務所の開設に取り組むという公約を出したことがある。西野教授は「ひとまず、北朝鮮との対話を排除せず、積極的な態度を示したことがあるだけに、今後の北朝鮮との関係でも否定的な状況にはならないと思われる」と述べた。 党内で非主流に分類されてきた石破氏が、決選投票で競争者である高市早苗経済安保相(173票)に逆転勝利を収めたことについては、「変化を望む日本国民の意思を自民党内部で感知したという意味」だと読み取った。西野教授は石破氏の当面の課題は、まず党を掌握することだとみている。 さらに、石破氏が総裁当選後の衆議院の早期解散と総選挙の実施方向に舵を切ったことについては、「今回の(総裁)選挙で、『国民は石破氏を自民党を変化させられる人だと判断した』という考えを持ち、衆議院の早期解散に方向を定めたようだ」と述べた。 東京/ホン・ソクジェ特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )