子どもが「奨学金を利用するから大学の費用はいらない」と言っていますが、将来の返済額って毎月どのくらいですか? 新生活の負担にならないか心配です。
大学進学には授業料をはじめ、さまざまな費用がかかります。奨学金制度を利用する場合、将来子どもが返済する際にどのくらいの負担がかかるか気になるでしょう。そこで本記事では、奨学金の返済額をシミュレーションするとともに、返済が滞った際に利用できる救済制度について紹介します。 ▼「大学無償化制度」の対象者とは? 年収要件や注意点を解説
奨学金の主な種類
本項では、日本学生支援機構が提供している奨学金のなかから主な種類を紹介します。奨学金の種類によって、利子の有無が決まります。 ■日本学生支援機構:第一種奨学金 まずは、第一種奨学金の貸与金額と毎月の返済額を紹介します。 図表1
出典:独立行政法人日本学生支援機構「奨学金貸与・返還シミュレーション」より筆者作成 第一種奨学金は、日本学生支援機構が提供する無利子の貸与型奨学金です。第一種は、優れた学業成績を持ちながらも、経済的理由で修学が困難な学生を対象に貸与されます。そのため、有利子の第二種奨学金に比べて、学力や家計に関する選考条件が厳しく設定されていることが特徴です。 貸与を受けた場合、返還は卒業などにより貸与が終了してから7ヶ月目から始まります。無利子の奨学金は、経済的な負担を軽減し、優秀な学生が学業を続けられるよう支援する大切な制度といえます。 ■日本学生支援機構:第二種奨学金 次に、第ニ種奨学金の貸与金額と毎月の返済額を紹介します。なお、貸与利率は令和6年度7月の利率1.310%にて計算しています。 図表2
出典:独立行政法人日本学生支援機構「奨学金貸与・返還シミュレーション」より筆者作成 第二種奨学金は、日本学生支援機構が提供する有利子の貸与型奨学金です。第一種奨学金とは異なり、利子をつけて返済する必要がありますが、利率の上限は3%です。実際の利率は年度や月によって異なりますが、教育ローンに比べて非常に低い水準で推移しています。 第二種奨学金は、比較的広範囲の学生が利用可能で、第一種奨学金に比べて学力や家計の条件が緩和されているのが特徴です。そのため、学費の補助が必要な多くの学生にとって、教育費の負担を軽減する大切な手段となっています。