子どもが「奨学金を利用するから大学の費用はいらない」と言っていますが、将来の返済額って毎月どのくらいですか? 新生活の負担にならないか心配です。
奨学金返済の負担を減らす方法
本項では、奨学金の返済が厳しいときに利用できる制度を紹介します。 ■減額返還制度 減額返還制度は、災害や傷病、その他経済的理由などの理由で奨学金の返済が困難になった場合に、月々の返済額を減額できる制度です。通常、適用期間は1年間で、最大15年まで延長が可能です。返済期間は長くなりますが、返済総額は変わりません。 減額返還制度の適用を受けた場合、当初に約束した返済額の2分の1まで減額が可能です。第一種奨学金を利用している方については、平成29年から返済額を当初の3分の1まで減額できるようになりました。 ■返還期限猶予制度 返還期限猶予制度は、災害や傷病、経済困難、失業などの影響で奨学金の返済が困難になった場合に、月々の返済を一定期間延期できる制度です。適用期間は1年間で毎年申請を行う必要がありますが、最大で10年まで延長が可能です。 返済の開始を延期できるため、返済金額そのものは変更されず、経済的な負担が軽減できます。しかし、返済期間が長くなるため、返済完了までの期間が延びる点には注意が必要です。返還期限猶予制度は、困難な状況に直面したときでも柔軟に対応できる手段といえます。 ■在学猶予制度 在学猶予制度は、奨学金受給者が学校に在籍している間、奨学金の返済を延期できる制度です。学校に通っている間は最大で10年間まで、月々の返済を猶予できます。猶予の申請には在学猶予願(在学届)の提出が必要で、有効期間は1年のため毎年猶予の申請を行う必要があります。 在学期間中に返済がスタートしないことから、学業に集中できる環境を提供するための制度といえるでしょう。通信制大学に通っている場合でも利用が可能です。
奨学金の返済額は種類によって異なる
奨学金の返済額は種類や借りる金額によって異なるため、条件にあわせてシミュレーションを行い、実際の返済額を算出しましょう。返済が厳しくなった場合に利用できる制度も複数あるため、返済が遅延する前に対策を立てておくのがおすすめです。 出典 独立行政法人日本学生支援機構 JASSO 奨学金貸与・返還シミュレーション 独立行政法人日本学生支援機構 JASSO 月々の返還額を少なくする(減額返還制度) 独立行政法人日本学生支援機構 JASSO 返還を待ってもらう(返還期限猶予) 独立行政法人日本学生支援機構 JASSO 在学猶予 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部