【解説】愛子さま「ことばの力」で周囲を笑顔に 宮内庁担当記者が見た1年「気負わず、自分らしく」
学生から社会人へ、そして成年皇族としての公務にも本格的に取り組まれるなど、活動の幅を大きく広げられた愛子さま。 【画像】愛子さまの周囲は「ことばの力」で笑顔に 2024年を写真で振り返る 初めて尽くしの2024年、宮内庁担当記者として間近で愛子さまを取材して感じたのは、初めての行事で緊張される自然なお姿と、その緊張をも解きほぐすような愛子さまならではの「ことばの力」だった。
スワヒリ語の「ごきげんよう」が大統領の心をつかむ
2月に行われたケニアの大統領をもてなす宮中午餐。初めての食事を伴う国際親善の場で、愛子さまは少し緊張していたそうだが、スワヒリ語で「ごきげんよう」と挨拶したこともきっかけとなり、打ち解けて話を弾ませられた。 ケニアを訪問した経験がある陛下や皇后さまと相談して準備をされていたそうで、愛子さまの挨拶に心をつかまれた大統領はとても喜び、初めての外国訪問にぜひケニアへ、と何度も招待の意向を示したという。 相手の国への敬意と親しみを込めて、ひと言でも現地の「ことば」を交えることで心を通わされる。まさに両陛下ゆずりの交流が愛子さまに受け継がれていることが垣間見えた。 この時の経験を、愛子さまは「相手の方の国の風土や文化について理解を深めることができる貴重な機会であるとともに、日本の魅力を外国に発信できる、両国にとって意義深い時間であると身をもって感じました」と文書で振り返られた。
「当たり前だったことの尊さを実感した学生生活」
3月には学習院大学をご卒業。コロナ禍でオンライン授業が続き、4年生でようやくリアルなキャンパスライフに移行し、友人と直接触れあう楽しさや大切さを経験された4年間の大学生活を終え、桜色の袴に身を包んだ愛子さまの表情は晴れやかだった。 「その転換期を経験し、以前は当たり前であったこれらのことがいかに尊いものであるのか、実感することとなった学生生活でもありました」(愛子さま卒業にあたっての文書回答より)
「様々な困難を抱えている方の力に」公務と仕事の”二刀流”
4月1日には日本赤十字社に嘱託職員として入社。社会人としての歩みを始められた。 「公務以外でも、様々な困難を抱えている方の力になれる仕事ができれば」「大学卒業後は社会に出て、福祉関係の仕事に就きたい」と希望されたという。 青少年・ボランティア課に配属され、5月には年に一度の「全国赤十字大会」で運営スタッフのストラップを身につけ、裏方で出席者の誘導などを担当された。 日赤の名誉総裁を務められる皇后さまの公務に職員として初めて携わり、心を込めて業務に取り組まれた愛子さまのことを皇后さまはとても喜ばれていたという。 こうして、愛子さまの公務と仕事の”二刀流”生活が始まった。