【解説】愛子さま「ことばの力」で周囲を笑顔に 宮内庁担当記者が見た1年「気負わず、自分らしく」
和歌の「ことばの響き」に感銘
愛子さまの「ことば」を大切にされる一面は、去年の歌会始に寄せられた和歌にも表れていた。 『幾年(いくとせ)の難き時代を乗り越えて和歌のことばは我に響きぬ』(※いくとせ の要ルビ)「中世の和歌」についての卒業論文を、ギリギリまで内容を練り上げて提出された愛子さま。 幼い頃から百人一首の音の響きや五七五七七のリズムに親しみ、成長と共に歌の意味合いや背景を理解されるようになり、大学では日本語日本文学科に進んで和歌について深く学ばれた。 平安時代の和歌が千年の時を経て今を生きる自らの心に響く。古典文学を学ぶ等身大の大学生としてのお姿を詠まれ、和歌の「ことば」を心の深いところで受け止められていることが感じられた。 1月22日行われる歌会始。今年は愛子さまも初めて出席される見通しで、社会人としての経験も積む中、どんなことばで三十一文字を紡がれるのか期待したい。
「ことばの力」で新たな活動へ
成年の記者会見で、自ら「人見知りを克服したい」と明かされていたが、愛子さまならではのことばで初めての行事でも温かい交流を重ねられるお姿には、人見知りの片鱗はもはや見当たらなかった。 ある側近は「やはり就職して色々な年齢や立場の人と接していることが活かされているのではないか」と話していた。 この1年は、職場では”先輩”になり、公務の面でも歌会始への出席、去年豪雨により取り止められた能登の被災地への訪問、外国への公式訪問など、さらに新たなご活動にも取り組まれることだろう。 令和7年の新年一般参賀では、「愛子さまー」という歓声も多く聞こえ、少し恥ずかしそうに皇后さまに何かを伝えながら、柔らかい笑顔で応えられていた。 今年も様々な行事を取材し、愛子さまならではの「ことば」の数々をお伝えしていきたい。
宮﨑千歳