《埼玉・生後1か月の我が子への傷害致死の疑い》酒乱“無職”パパから男児を守れなかったワケ
「確かに長女は幼いときは見かけたけど、以降はまったく見なかった。母親は自分の実家に預けていると言っていたね」(夫婦の知人) 加えて、児相は川口市子育て相談課(以下、市)にも報告。市は想蒼ちゃんを妊娠していた母親を昨年5月、支援が必要な『特定妊婦』に指定した。 昨年8月、想蒼ちゃんが誕生した直後、市は18日、30日と家庭を訪問。 「母親とは会いましたが、容疑者とは会えなかった。母親によると子育てをしていく上で、一緒に暮らすのは困難だと。だから、容疑者はマンションにはもういない、別居しているというような趣旨のことを語っていました。もちろん、それは鵜呑みにもできないので、こちらなりの裏付けはとったつもりですが……」(市)
「別居なんか、全然していなかった」
しかし、どうやらそれは嘘のようだった。 「別居なんか、全然していなかったね。あの夫婦は最初から最後まで、ずーっと一緒に住んでいたよ。無職で警察沙汰になるような男なのに……理由はわからない」(前出・夫婦の知人) 市は事件が起きる5日前にも、母親に電話している。 「特段、変わったようすはなかったんですけどね。しかし、事件当日、容疑者が母親の留守中に想蒼ちゃんと一緒にいたことは事実。それがもともと一緒に住んでいたのか、その日だけマンションに来たのかは不明です。けれども、われわれとしては、できる限りのことをしたと考えています」(前出・市) 一方、児相はというと一部のマスコミには「深刻に受け止めている。対応が適切だったかは改めて検証する」と答えている。想蒼ちゃんへの対応が結果的に失敗ではなかったか、児相としてどれだけのことをしてきたかなどをきくために取材を申し込んだが、「今日、明日とも多忙で取材には応じることができません。いや、今後いっさい取材は受けませんので」とのことだった。 数か月前、容疑者夫婦は想蒼ちゃんを失った川口市のマンションを退去し、約5キロほど離れた草加市のメゾネット式アパートへ移住。だが、そこで夫婦を知る住民は皆無だった。雨戸も閉じられたままのようだった。 母親はなぜ容疑者と離れることができなかったのか……。謎の多い事件だが、幼い命が失われたことだけは間違いない。