「どうせ文字だし」…アカデミー賞受賞の売れっ子脚本家・足立紳が「映画の脚本家は低く見られている」と憤る理由
自分が持っていない部分を補ってくれる存在が必要である
――現代は終身雇用制度も崩壊し、転職が当たり前になったり、足立さんのようにフリーランスで働く人もとても増えました。色々なタイプの人と仕事をする機会も多い足立さんは、どんな人をすごいと、そして一緒に仕事がしたいと思いますか? 僕が見ていて一番すごいなと思うのは、職業に関係なく、自分が持つ好奇心に抗わず、そこにどんと飛び込んでいける人です。一歩を踏み出す度胸がある人は尊敬しますし、一緒に働きたいと思います。それ、僕には全然ない部分なんですよ。 ――足立さんに「一歩踏み出す度胸」がないとは思えませんが……。 僕は非常に憶病な人間です。それで人生を損したなと感じることもあります。良かった部分もきっとあるのだとは思いたいですが。でも、僕の場合はその憶病な部分を妻が補ってくれています。彼女は好奇心が旺盛で、経験してみたいことや行ってみたい場所があると、すぐに行動に起こすんです。彼女は自然とそうなっているように見える。そうやって、自分がないものを持っている人が仕事相手になったら面白い化学反応が起きるでしょうし、僕のようにそういったパートナーと出会えれば、人生に深みが増し、仕事にも活きると感じます。そうした多様性のいい面を活かせれば、業界はどんどん良くなるはずです。映像業界だけでなく、いろんな業界がそうなっていくといいですね。 大きな賞を獲ってなお続いたアルバイト生活。長過ぎた下積みがあったからこそ見えてきた映画業界の課題や問題点。それは、エンタメ業界だけでなく一般社会にも同じことが言える部分が多い。社会全体が次のステップに進む上で、足立氏の知見と言葉は意味の大きいものではないだろうか。 (取材・文/Mr.tsubaking) ……・・ 【もっと読む】《芸能界一の隠れモテ男伝説》…『海に眠るダイヤモンド』主演の神木隆之介が、一緒に飲んだ女の子から必ず「紳士でカッコいい」と言われる理由
Mr.tsubaking