神社の木で育つのは…チゴハヤブサのひな3羽「キィーキィー」 目の前で親鳥がえさ食べちゃった…でも独り立ちまで頑張る
「キィーキィー」。長野県北信地方の神社の境内で甲高い声が響く。声の主は猛禽(もうきん)類、チゴハヤブサの巣立ったばかりのひなだ。14日は樹上で親鳥に餌をねだる姿が見られた。 【写真】餌をもらえず…飛び立つ親鳥を眺めるひな
3羽いるひなは、親鳥から餌のツバメやオナガ、セミを受け取ると、分け合ったり奪い合ったり。独り立ちを促すためか、親鳥は時折、餌を与えずにひなの目の前で食べて飛び去った。親鳥と変わらないほど大きいひなだが、親鳥に比べ体の前面の色が濃く、くちばしの付け根や目の回りが青みがかっている。
毎年観察を続ける地元愛鳥家によると、例年は巣から落ちて死ぬ個体がいるが、今年は8月上旬に全て巣立った。撮影に訪れた埼玉県川口市の会社員高橋建治さん(55)は「ひなが集まって食べているところを撮影できて、来たかいがあった」と喜んだ。
チゴハヤブサはハヤブサより小ぶりな夏鳥で、県版レッドリストの絶滅危惧1B類。日本野鳥の会長野支部長の藤田伸二さん(68)=長野市信州新町=によると、ひなは8月下旬に親元を離れ、越冬のため9月初め以降にユーラシア大陸南部などへ渡る。