伊豆の巨大廃虚ホテルが放置される“ワケ” 内部の様子をドローン撮影 行政の対策は
■廃虚の空き家を民宿へ 大型旅館も“変化”
東伊豆町では、廃虚となった空き家を活用する動きもあります。 湊庵-so-an- 代表社員 荒武優希さん 「(東伊豆町)稲取の街にあった空き家を再生してつくった一棟貸しの宿泊施設になります」 東伊豆町で空き家の活用事業を行う荒武さん。長期間空き家となっていた築50年の民家を外観は生かしたまま、おしゃれな民宿にしました。 現在までに町にあった4件の空き家を改修し、宿泊施設に改装しています。 荒武さん 「空き家の増加スピードは、年々増しているような感覚があるので、街の魅力が喪失しないような対策として、事業拡大をしていきたい」 団体客から個人客へのシフトを図る、大型旅館もあります。 食べるお宿「浜の湯」 鈴木良成社長 「大宴会場を改装して、この個室料亭を作り上げています」 今年6月、個人客を呼び込むため、ほとんど使用機会のなかった大宴会場を改修し、個室が並ぶスペースにしました。 鈴木社長 「個人客だけのための設備投資を、この25年間随時、4、5年に1回ずつの大型投資を繰り返して今になっている」 設備投資の効果もあり、団体客から個人客へのシフトに成功。さらなる宿泊客の呼び込みには、町自体の活性化が必須だといいます。 鈴木社長 「宿泊産業が頑張って、外部から多くのスタッフを連れてきて、そして人口を増やしながら、それをいかに定着させるか、宿泊産業としてのこの町における役割は大きいと思います」
■廃虚化するホテルに悩む自治体
静岡県熱海市の観光客数は、赤い線を見ていきますと、2011年を境に上昇傾向です。コロナがあり、いったん落ち込みましたが、そこから再び伸びを見せています。 一方、下田市や東伊豆町は廃虚化するホテルが多くあった地域ですが、なかなか伸びず、年々減少していき、コロナ以降もにぎわいが戻っていない現状があるようです。 こうしたなか、廃虚化するホテルに自治体も対応に頭を悩ませています。 旧稲取観光ホテルでは、所有者に対応を依頼しましたが、明確な回答はありません。 旧熱川グランドホテルは所有者が何度か変わり、現在は誰が所有者なのか特定できていないそうです。 旧下田富士屋ホテルも、所有者に対応を依頼しましたが、話し合いが難航しているといいます。 また、旧下田グランドホテルでは、下田市が土地や建物を100万円で取得し、解体後は防災公園として整備していく方針です。 ただし、解体費用は約5億円かかると言われています。アスベスト使用が確認された場合は、さらに額が増える可能性があるそうです。 市の担当者は「国や県から補助金をもらいながら進めていきたい。しっかりと整備を行って、市民や観光客が活用できるような土地にしたい」と述べています。 また、東伊豆町では、熱川温泉しおかぜ広場で約1.5億円をかけ、廃業したホテルを買い取り、防災公園にしました。ここでは先月、「台湾ナイト」が開催され、台湾をテーマにした屋台などが出展されました。 町の担当者は「SNSで若者からの認知も広まっている。新たな客層を取り込めている」と話しています。 (「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年12月25日放送分より)
テレビ朝日