海外メディアも大坂の初優勝を続々報道「必要なのは優勝スピーチ練習だが」
テニスのBNPパリバ・オープンの女子シングルス決勝が18日(日本時間19日)、米カリフォルニア州インディアンウェルズで行われ、世界ランキング44位の大坂なおみ(20、日清食品)が、同19位のダリア・カサトキナ(20、ロシア)を6―3、6―2のストレートで下し悲願のツアー初優勝を飾った。今大会はグランドスラムに次ぐ規模の大会で日本女子としては初の快挙。海外メディアも一斉に取り上げた。 米国の開催地の地元、デザート・サン紙の電子版は「大坂、パンのトーストからBNPパリバ・オープン優勝へ―サワードウ・トーストだけはやめて」との不思議な見出しで大坂のゲン担ぎに注目した。 「彼女は、これまで見てきたチャンピオンの中では、もっともチャンピオンらしくないかもしれないが、今回、大坂のタイトルへ向けた戦いを見たファンは『あの時に彼女を知ったんだ』と後に語ることができるような心地になっただろう」と大坂の優勝を報じた。 同記事は、「20歳の大坂は、WTAツアーで20歳の初優勝となるが、彼女のパワーと技術、落ち着きは、これから長きにわたってタイトルを勝ち取っていく選手のように見えた。彼女を見たとき、浮かんだ疑問は、彼女がどのように勝ったということではなく、これまでなぜ勝つことができなかったのかということだった」と絶賛した。 大坂は、優勝賞金の約134万ドル(約1億4000万円)を手にしたが、これまでの賞金総額は、約148万ドル(約1億5600万円)に過ぎなかったことも記された 今大会でノーシードから決勝に進んだ選手は、大坂が4人目で、優勝したのは、2005年に優勝したキム・クライシュテルス(ベルギー)以来、2人目。クライシュテルスは、当時、休養明けでランキングを落としていただけの実績のある選手で、「クライシュテルスのノーシードでの優勝は、まばたきのようなものだったが、大坂の優勝はとどろきとなってやってきた」と表現した。 「大坂は、フォア、バックの両方からの強力なストロークに加えて、サービスエースを必要な場面で打ち込んで見せた。そして、忘れてはならないことは、大坂はノーシード選手として6試合ではなく7試合を戦わなければならなかったこと。しかも、初戦で彼女が戦ったのは過去2度優勝経験のあるマリア・シャラポワ(ロシア)だった」と続けた。 記事は「彼女はコート上では猛烈だが、性格は穏やかな雰囲気」と大坂の人柄にも触れて、試合当日のこんなエピソードを紹介している。 朝食に食するパンがいつもの小麦のパンでなく、酸味と風味が強く固いサワードウ・トーストだった。縁起担ぎをしている大坂は、「変かもしれませんが、私は少し迷信深いです。普段は、いつも同じ朝食を食べていますが、今日は(いつもの)小麦ではなく、サワードウのトーストが運ばれてきました。少し怖かったですが、それを食べました。そして、もし試合で負けたらそれはサワードウ・トーストが原因で、とても落ち込むだろうと考えていました」と、ショックを受けて決勝を迎えたのだという。 同紙は、「試合当日の最大の敵はもしかしたらカサトキナではなく、サワードウ・トーストだったかもしれない。奇妙で素晴らしい大坂ワールドだ。彼女は、次戦のマイアミ・オープンの初戦でセリーナ・ウィリアムズ(米国)と対戦する。この試合のためには、いつも食べる小麦のトーストが必要かもしれない」と、21日から始まるマイアミ・オープンの初戦の組み合わせを伝えて記事をまとめている。