アーティストから俳優の道へ、一段ずつ階段を上る坂東希が頑張ることを諦めない理由
ひたむきで正直。常に明るく努め、周りを照らす存在。でも、そんな人に限って雨女だったりするから面白い。 E-girls、雑誌専属モデルなどの活動を経て、本格的に俳優の道を歩みはじめた坂東希。昨年には映画『正欲』やNetflix『韓国ドラマな恋がしたい』に出演、今年に入ってからは配信ドラマ『プロ彼女の条件』の港区女子役なども話題となり、放送中の月9ドラマ『嘘解きレトリック』第7話にはゲスト出演も果たした。 “キャラ強”な女性を演じることが多い一方で、今年の春には素顔満載のYouTubeチャンネルを始動。そして11月23日には、ファンとの交流イベント「スナックのんこ」も開催される。彼女にとってファンという存在とは? 感謝を伝え合う大切な1日を前に、分け隔てなく周囲を笑顔にするその魅力に迫った。 E-girls解散後は本格的に俳優として活動、月9『嘘解きレトリック』での怪演も話題になった坂東希の撮り下ろしカット
『韓国ドラマな恋がしたい』で強くなった
──坂東さんの座右の銘は「自分の機嫌は自分で取る」だと拝見しました。実際に日々上機嫌に過ごされてますか? E-girlsというグループで底抜けに明るい曲をやりながら、Flowerという失恋ソングが多いグループをやっていたんですけど、当時の活動がファンタジーみたいな、本当に夢の中みたいだったんです。ライブやった後に渋谷とか一人ですっぴんで歩いていても、誰も気づかない、ずっと不思議な世界にいて。多感な時期だったからいろんなことを考えすぎてしまって、暗いというか、いろいろ深く考えがちなタイプだったので、あの時はそういうのが必要だったかもしれないけど、今は「健康」「明るい」「楽しい」に越したことはないっていうところに行きついて。ポジティブに前向きに生きるのが一番健康なので、楽しく生きようと心がけています(笑)。 ──「心の健康」を第一に考えているんですね。 そうですね。この世界のタレントさんって、私生活で出会わないような明るい人もいるじゃないですか。モデルの活動とかもやって、いろんな世界を見させてもらった中で、一人で活動している人は現場の空気をガラッと変えるような吸引力とか、明るさを持っている人が多くて。そういう人は周りに人が集まってくるし、明るく生きてた方がいいなって。 ──去年2月に今の事務所(株式会社ステッカー)に所属されましたが、決断の背景にはどういう思いがあったんでしょうか。 E-girls解散する時に何がやりたいかなって考えて、「お芝居やりたい」って思ったんです。前の会社は本当にいろんなことをサポートしてくれて、一緒に頑張ってきた会社だけど、私が新しいことを始める時に環境を変えたがる人間で。わからないことが多いから、お芝居のことを一緒に考えて、むしろ引っ張ってくれるような場所をずっと探していて、お世話になることになりました。でも最初は本当に「どうしよう、どうしよう、どうしよう」でした(笑)。明るい人間だけど、どこかに波があるタイプなので、結構一人であわあわしてる時はあります。 ──それは今でも? 最近はもうやるしかないってマインドになってますけど、今までこんなに先が見えない期間がなくて。アーティストをやっていた時は、このタイミングでシングル出して、アルバム出して、ライブやるみたいな、だいたい一年の中でやることが決まっていたので、自分の人生とか先々のことを考える瞬間がなくて。だからゼロになった、みたいな(笑)。もちろん自分が望んでいたけど、いざ環境を変えてみたら「どうしよう」って落ちちゃうこともあったんです。でもそのまま落ち続けて、近くにいるマネージャーさんとか仕事させてもらった人に「暗い子だな」って思われるのは絶対嫌だし。アーティスト業はずっと同じチームで続いていくことも多かったんですけど、女優業は一日でバイバイっていう現場も多いですし、それが結構寂しくて(笑)。その中でもまた会いたいなって思ってもらえるのは本当に大事だと思うので、明るく元気に心がけようと思っています。 ──今の事務所になって、仕事に対する意識は変わられましたか? 変わったところで言うと……強くなった気がしますね。自分はもともとお芝居の畑にいたわけじゃないから、アーティストの時にお芝居をやらせてもらった時も「自分はそういう人じゃないから」っていうコンプレックスがすごいあったんです。でもここに来て女優一本って決めたから、そんなこと言ってる場合じゃないと。テンションもそうだけど、コミュニケーションとか積極的になったというか。チームだと適材適所で、全員が前に出たらしっちゃかめっちゃかになっちゃうんで、空気を読むのめっちゃ上手くなるんですよ。だけどそういうのは必要ないんだなって。ガツガツ行けてないと負けちゃうなと思ったんです。そんな時に、『韓国ドラマな恋がしたい』のオファーをいただいて、韓国で1ヵ月間ずっとお芝居のこと考えて、なおかつずっとお芝居やってる女優さんたちとずっとバトルする生活して、強くなったなって思いました。だからあのタイミングでできて、恋愛リアリティショーだけど女優としての転機にはなったかなって思います。 ──1ヵ月間俳優合宿したみたいな感じだったんですね。 そうですね。でも人生において合宿は何回か経験してるんで(笑)。オーディションとか、前の事務所では昔はどのグループも恒例でパフォーマンスもメンタルも鍛える!みたいな合宿をよくやってたんですよ。だからストレスとか全く感じなくて、むしろ今まで培われたサバイバル能力を活かして合宿で力をつけたなって思いました。ガラッと変わりましたね。自信を持てた、みたいな。 ──面白かったです。全部観て、だいぶ感情移入しちゃって(笑)。 男性が見たらどう思うんですか? ──正直、女性では坂東さんに一番感情移入しました。あとは切り取られているとは思うんですけど、みんなよく飲むなあって(笑)。 それまで男女の集団で飲むことを経験したことがなくて、私は男女の飲み会が苦手だってわかりました(笑)。ちゃんと恋愛もしなきゃいけないから、途中で飲むのやめました。