【闘病】「なんで私が?」 膝の僅かな違和感から始まった「多発性硬化症」
闘病者のYuriさん(仮称)は、多発性硬化症を20代で発症しました。現在はほとんど健常者と変わらずに生活できているYuriさんですが、そこまで回復するには長い時間が必要だったそうです。 彼女がこれまでに味わった苦労や症状などについて話を聞かせてもらいました。 ※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2022年4月取材。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
「放っておけばそのうち治る」と最初は軽く考えていた
編集部: まずはYuriさんが発症した多発性硬化症について教えてください。 Yuriさん: 多発性硬化症は脳や脊髄、神経など様々なところに病巣が発生し、目が見えなくなる、腕や足が痺れて上がらなくなる、熱い・冷たいといった温度がわからなくなるといった症状が表れます。 日本国内では推定で2万人弱の患者さんがいるとされていて、女性に多い傾向があるそうです。私の場合も右膝の違和感で整形外科を受診したところMRIで脊髄に病変が見つかり、神経内科で詳細な検査のために入院することになって多発性硬化症と確定診断されました。 編集部: Yuriさんの病気が判明するまでの詳しい経緯を教えてもらえますか? Yuriさん: 最初の症状と思われるのは、20代半ばに右足の違和感を覚えたことでした。太ももに触れると布を一枚挟んだような感触があって、整形外科を受診したところ、ビタミン剤を処方してもらいました。 次第に症状は回復したので忘れていたのですが、2年ほど経って再び同じ症状が始まり、しかも前回よりも重くなっている印象でした。 整形外科をもう一度受診して検査したところ、MRIに異常が見つかりました。より精密なMRI検査を受けたところ、いくつか病変が出来ていることもわかったのです。 編集部: そのときには症状も変わっていたのでしょうか? Yuriさん: その頃には膝の締め付け、右足底部の感覚異常、温度感覚の麻痺などの症状も進んでいました。そして、神経内科を受診したところ即日検査入院となり、多発性硬化症という診断が確定したのです。