暖冬だけど油断は禁物!すぐ実践できる「温活ルーティーン」をプロに聞いてみた
ここ数年、注目を浴びている「温活」という言葉。主に体を冷やさないための活動のことを言うが、「何をしたらいいのかわからない」という人も多いのではないだろうか。 【写真】おすすめ温活メニュー「ショウガ入り鶏団子と根菜のスープ」 本記事では、熊本県にあるメディメッセ桜十字予防医療センターの医師・徳永理衣先生の監修のもと、すぐに実践できる温活ルーティーンをご紹介。寒さが続く今こそ、温活に挑戦してみよう。 ■体が冷える原因とは?冷え性レベルをチェック そもそも冷えが生じる原因として、寒冷環境、循環不良、代謝低下、筋肉量の減少、ホルモンの影響、ストレスや不安などの心理的要因など、さまざまなものがあるという。冷え性には、「末端冷え性」と「内臓冷え性」の2種があり、末端冷え性の主な原因は血行不良、内臓冷え性は内臓自体の冷えが原因だそう。 体温が1℃下がると、低下する免疫機能はなんと約30%程度。一気に感染症にかかりやすくなるため、2024年のように寒暖差が激しい冬は特に温活が重要だと言える。 あらゆるところで「冷え性対策が大事!」と言われているものの、そもそも自分が冷え性かどうかわからない人も多いはずだ。下記の質問に「はい」か「いいえ」で答えて、自分の冷え性レベルをテストしてみよう。 (1)手足の先が冷たく、温まりにくいと感じることがある。 (2)夏でも冷房が効きすぎた場所では寒さを感じる。 (3)朝起きたときに布団が冷たいと感じることがある。 (4)体温が36℃以下の日が多い。 (5)夕方になると脚がむくみやすい。 (6)冷たい飲み物やアイスを好んで摂ることが多い。 (7)湯船にあまり浸からず、シャワーのみで済ませることが多い。 (8)運動不足を感じている。 (9)食事で野菜が不足していると感じる。 (10)ダイエットで食事量を極端に減らした経験がある。 (11)肩こりや首こりが慢性的にある。 (12)寒さを感じるとお腹を壊しやすい。 (13)貧血を指摘されたり、めまい症状を感じることがある。 (14)眠りが浅く、朝起きても疲れが取れない。 (15)ストレスを強く感じることが多い。 「はい」の数が5個以下の人は冷え性の傾向は軽度だという。ただし、季節の変わり目や体調に注意して、温活を意識するのがベター。「はい」の数が6~10個の人は冷え性の可能性があるため、日常生活や食事に体を温める工夫を取り入れよう。 「はい」の数が11個以上だと、冷え性がかなり進行している可能性があるそう。セルフケアだけでなく、医師や専門家に相談して体質改善を目指す具体的な方法の検討が必要だ。 ■簡単にできる!冷え性対策ルーティーン ここからは、上記のセルフチェックで「はい」が6個以上だった人におすすめの、初めてでも簡単に実践できる温活ルーティーンをご紹介。 <朝のルーティーン> (1)起床時は温かい飲み物で内臓を目覚めさせる 白湯やショウガ入りのお湯を一杯飲むことで、内臓を温め代謝をスムーズにスタートさせる。飲むタイミングは起きてすぐ、まだ布団の中にいる状態でもOK。 (2)起床後は簡単なストレッチやラジオ体操を 寝ている間に滞った血流を促し、体を温めることが目的。おすすめストレッチは、キャットカウポーズや足首回し。 (3)朝食に温かい食べ物をプラス 冷えた体を温めるため、スープやおかゆ、温野菜を取り入れると効果的。おすすめメニューは「ショウガ入り鶏団子と根菜のスープ」。鶏ひき肉、ショウガ、長ネギ、ニンジン、ダイコン、ゴボウを入れた昆布だしのスープだ。 (4)防寒対策を意識する 朝は体温が低く、冷えを感じやすい時間帯。首元、足元を重点的に温める防寒対策を行うのがいいそうだ。おすすめアイテムはスカーフやマフラー、厚手の靴下やレッグウォーマー、暖かいインナー(「ヒートテック」など)。 <夜のルーティーン> (1)帰宅後はまず足元を温める 足湯なら38~40℃のお湯に10分間足を浸すだけで、全身の血流が改善するという。湯たんぽは足先や腰回りに置こう。 (2)リラックスしながら温活入浴 入浴は冷え性改善に効果的だが、高温すぎると逆に疲労を感じてしまうため、お湯の温度は38~40℃がおすすめ。入浴時間は15~20分を目安に全身浴を行い、入眠時間の90分前に入浴すると質のいい睡眠になると言われている。 (3)寝る前の軽いストレッチ 寝る前にストレッチで体をほぐし、血流を改善しながらリラックスすることで、睡眠の質も向上。 (4)就寝前に温かい飲み物を カフェインを避けた温かい飲み物で体を温めてから布団に入ると、眠りやすくなるのだとか。おすすめの飲み物はハーブティー(カモミール、ルイボス)、ホットミルク、ショウガ湯(ハチミツを加えてもOK)など。 (5)寝室環境を整える 寝具や室温を工夫して、冷えを防ごう。電気毛布のスイッチを寝る前に入れて布団を暖め、寝る際にオフにし、ウールやフリース素材の布団カバーを使うと暖かさが保てる。室温は18~22℃を目安に。 (6)夜間の保温アイテム 腹部を温め、内臓を保温できる腹巻きが便利。また、足首を温めるだけで全身の温度感が上がるので、レッグウォーマーもあるといい。 最後に、「温活は無理せずできることから始め、習慣化することが大切」と徳永先生。まずは自分なりのルーティーンを作り、習慣化することを意識してみよう。また、冷えにはさまざまな原因があるが、その中には貧血やホルモン異常などの病気が隠れている場合もあるので、症状がひどい場合は医師への相談がおすすめだ。 <德永理衣 プロフィール> 医療法人桜十字メディメッセ桜十字予防医療センターの医師。産業医として約40社と嘱託契約を結び、「女性のための食セミナー」や「医療職が対応する相談窓口の設置」など、働く人々の健康を守るための新しい取り組みを推進。また、分子栄養学に基づいた血液データ解析を活用し、個々の体調に最適化した栄養療法を提案。食事や生活改善を通じて、不調の根本的な解消を目指す。