FRBパウエル議長「利下げ急ぐ必要ない」「慎重に決定できる」…ダウは反落
【ワシントン=田中宏幸、ニューヨーク=小林泰裕】米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は14日、「米国経済は、利下げを急ぐ必要があるというシグナルを発していない」と述べ、経済指標を見極めながら慎重に利下げペースを判断する考えを示した。米テキサス州ダラスで開かれたイベントで講演した。
パウエル氏は物価高の沈静化について「この2年間でインフレ(物価上昇)率は大幅に低下し、広範囲にわたって進展している」と評価した。その上で「経済が堅調に推移しているため、慎重な決定を行うことができる」との認識を示した。
14日のニューヨーク株式市場で、ダウ平均株価(30種)の終値は前日比207・33ドル安の4万3750・86ドルと2営業日ぶりに値下がりした。パウエル氏の発言から、FRBの利下げペースが鈍化し、金利が高止まりして企業業績の重荷になるとの懸念が広がった。