【ヤクルトファーム・戸田の悲喜交々】苦しむドラ1ルーキー、若手の成長を願うベテラン野手、先発を目指す元最優秀中継ぎ投手...
清水は以前、「一軍で活躍してこそプロ野球選手です」と語っていたが、その思いは今も変わらない。 「だからこそ結果がほしいですね。それこそ真っすぐの出力だったり、変化球の精度だったり、コントロールだったり......復活じゃないですけど、レベルアップしたなと思われる状態で一軍に上がりたい。今は先発をやりたい、中継ぎをやりたいというのはありません。上で投げることが自分には一番のやりがいですし、やっぱり一軍でやらないと楽しくないので」 【台湾の高校を卒業し6月に来日】 髙橋翔聖(登録名は翔聖/18歳)は、父(故人)が台湾人、母が日本人のハーフで、昨年の育成ドラフトで1位指名され、台湾の鶯歌工商高を卒業した6月に来日し、チームに合流した。身長188センチの長身で、「ここまではコントロールと真っすぐの質でやってきました」と語る将来性豊かな右腕だ。 「今年は体重、筋量を増やして、1年間プロでやっていける体を目指しています」 今は最初の頃より休みも少なくなり、練習量は増えている。過酷な暑さのなか、全体練習後は毎日のように200メートル走を6本など、有酸素系のメニューをこなしている。 「大変ですけど、それを覚悟して日本に来ましたし、全力を尽くしてやらないとダメですし、若い今のうちにやっておかないと。体重も78キロから82.5キロに増えました。今年中に85キロにしたいですね」 山本哲哉投手兼育成担当コーチは「キャッチボールやブルペンでは『おっ』と思わせるいい真っすぐを投げています」と言った。 「今年はゲームで投げさせることを考えていますが、そこに合わすのではなく、最後に投げられたらいいなというくらいです。まずは体づくりで、そこから来年に向けて考えていきたい」 灼熱の戸田──今年も覚悟はしていたが、正直ここまでとは想像していなかった。選手やコーチからも「始まったね、戸田の夏が......」「今日は危険だ」「今日こそ一番暑い」など、暑さを示すワードが毎日のように上書きされていった。