SOSのサインかも?犬が自分をなめるしぐさに隠された不調とは
犬のなめるしぐさには、さまざまな意味があります。なかには「助けて」というSOSのサインが隠されていることもあるので、ふだんと違う様子が見られたときには注意が必要です。 【写真】ペロンと舌を出す犬 そこで今回は獣医師・獣医行動診療科認定医の荒田明香先生に、犬が自分をなめるしぐさに隠された不調についてお話を聞きました。
かゆみや違和感、痛みが原因?
散歩中などに肉球を傷つけてしまって痛みがあったり、爪が床に当たって歩きづらかったりなど、体に感じたなんらかの違和感を気にしてなめることはよくあります。 なめることで炎症がひどくなる場合も多いので、すぐにおさまらないときは獣医師に相談してください。 同じ部位ばかりをなめたり、ゴハンや散歩などほかのことをしていても気にしないかチェック。いつもと違う様子が見られる場合は、皮膚炎や関節炎などの病的な原因を疑いましょう。
ストレスが原因?
たとえば苦手な犬に会って緊張しているときや初めての場所で不安を感じているとき、動物病院やドッグカフェなど苦手な場所から逃げられない葛藤を感じたときなどにも、一見無関係に見える「なめる」しぐさをすることがあります。 これは、なめることで、自分自身の気持ちをほぐそうとしているためです。 愛犬のストレスに気づいたら、苦手なものや場所から離れて気分転換をさせたり、抱っこして気を紛らわせたりしてあげましょう。
“なめるしぐさ”の見分け方
犬がなめるしぐさをしているとき、受診が必要かどうかの見分け方は、次のとおりです。愛犬の異変に気付いたらどんな状況でどの部位をなめているか、なめる頻度やなめ続ける時間などを獣医さんに伝えましょう。 なめている部分に脱毛や赤みがあり ・なめるしぐさが急に始まったり急に増えたりした ・いつも同じ部分をなめている ・四六時中、または一日に何回もなめている ・なめている部分を触ろうとすると、怒ったり嫌がったりする ひとつでも当てはまる項目があったら、獣医師に相談しましょう! 犬はグルーミングのために自分をなめることも多いため、ふだんから様子を観察していないと、SOSのサインを見落としてしまうかもしれません。 ご紹介した見分け方を参考に、いつもと違う様子が見られたら、動物病院を受診しましょう。 お話を伺った先生/荒田明香先生(獣医師 獣医行動診療科認定医) 参考/「いぬのきもち」2019年12月号『モノ・人・自分をなめるワケが知りたーい!犬はどんな理由でペロペロするの? 』 文/江村若奈 ※記事と写真に関連性がない場合もあります。
いぬのきもちWeb編集室