毒島誠がGPで魅せた鳥肌が立つ判断とテクニック 一瞬タイミングが遅れたが…操作と重心移動でリカバリー
【植木通彦 ちょっといい話】 新年おめでとうございます。そんなごあいさつも早々にボートレーサーたちは早くも年末のSG第40回グランプリに向けスタートします。11日から山口・ボートレース下関でGⅠ海響王決定戦、14日から東京・ボートレース江戸川でGⅠ江戸川大賞が開催。そんな新年を展望するためにも今回は昨年末のSG第39回グランプリ優勝戦を振り返ってみましょう。 12月23日のグランプリ優勝戦までの6日間、熱戦を繰り広げた大阪・ボートレース住之江は1コースが強かったですね。トップレーサー同士が競うのでスタート、ターン、整備力の全てが高いレベルでそろったからインが強かったのでしょう。優出メンバーは以下の各選手です。 ①毒島誠(群馬)ナイターキング。実績十分もグランプリまではいま一歩。1枠でチャンス到来、あとは自分との闘いのみ。 ②桐生順平(埼玉)ターン技術でファンを魅了。難しい2コースからどんなレースを魅せるか。 ③茅原悠紀(岡山)トライアルで不利な6枠から4コースを奪っての勝利はインパクト抜群。 ④馬場貴也(滋賀)獲得賞金1位で出場。プレッシャーの中で茅原選手の攻めに対応したウィリーターンに注目。 ⑤池田浩二(愛知)SG10回グランプリ2回制覇と人気・実力を兼ね備える。 ⑥関浩哉(群馬)SGを走るたび力をつけ最後まであきらめない走りに注目。 1周1マークは1コース毒島選手に対し3コース茅原選手がまくりで攻めました。まくり差しも考えられましたが2コース桐生選手が差させないテクニックを駆使したのでまくりへ。桐生選手は毒島選手の内に差しを決めました。この差しが一瞬届いたと思うほどの切れ味でした。毒島選手はハンドルを入れ始める初動で思ったよりターンマークの内側に向いたため一瞬タイミングが遅れましたが、その後の操作と重心移動でリカバリー。鳥肌が立つ判断とテクニックでした。 この展開では馬場、池田、関の外側3選手がつけ入るスキがありません。それだけ内コース3人のターンが素晴らしかった。悲願のグランプリを制覇した毒島選手のさらなる活躍が楽しみです。今年の第40回グランプリも住之江開催です。早くもわくわくします。